今月の治験例から.平成27年2月 | ファミリードラッグたきじゅう 漢方ブログ

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80代 男性 血圧・便秘 


1年前に便秘高血圧でご来店され、SE-10(クマ笹エキス顆粒)と、ササスルー(漢方便秘薬)を飲まれていたら、血圧が正常になってきて、現在は病院薬を半分に減らし様子を見ている。寒い時は少し上がることもあるが、最近の検査値では131-67・脈拍は60と病院薬を休止しても良いような数字だ。

これは、漢方の考えからすると全く当然の話です。肝臓は腸から栄養を吸い上げる門脈(静脈)という血管が繋がっていて、食物として吸収された脂肪タンパク質の新陳代謝を行い、きれいな血液として蓄えますが、便秘や下痢の方は、ニコチン・アルコール・化学薬品の代謝の他に、アンモニアインドール等の汚染物質も処理しなくてはなりません。

その結果漢方でいう瘀血(オケツ血の汚れ・滞り・ドロドロ血)を生じ普通の圧力では流れなくなり心臓ががんばって圧を強くして流さないと末端まで届かない状態(体質)になってきたと言う事です。高血圧が悪いのではなく、肝臓・血管・血液が

汚れたので結果的に高くならざるを得ない。(腎臓も細い血管の集まりなので連動して機能低下)現代医学では、特に肝臓は機能低下の段階では異常なしと判定されます。これは肝臓に含まれる酵素の溶け出す量と種類を測定します。(即ち壊れないで調子が悪いだけでは数字が出ない)

病院薬の降圧剤は、様々な方法で圧を下げますが、体質は変わりません。その証拠に、何年も飲んでいる方、死ぬまで飲み続けなさいと言われている方が殆どで、治って病院薬を止めた方は少ないのが現状です。

それどころか、ご存じの方もあると思いますが、降圧剤や抗コレステロールを飲み続けると血管がボロボロになり寿命が縮まるデータ・学説も多く出版されています。この方は、次回に処方薬と健診データをチェックして安全に降圧剤から離脱する方法を一緒に考えることにしました。


50代 男性   血圧・動悸


上の方とは全く違う体型の高血圧・高脂血症です。

前例は中間~虚証体質なのに毒素が溜まり血圧が上がり、それを抑える薬を飲んでいると便秘が起こり慢性化というケースです。

この方の身長は普通ですが、見るからに顔も体型も四角いがっちり型、赤ら顔で声も太く大きくエネルギッシュな感じがします。人間は本当は標準血圧と言う事はありません。大柄・丈夫で元気な人は高いし、小さくて細めの人は低いのが普通です。また年を取るごとに血管の固さがまし、血液が汚れるために少しずつ上がって行きます。つまり末端まで血液を届けるための加齢現象です。

但し現代医学は、高くなれば血管が破れる可能性が増すとして、2000年の日本高血圧学会の80代の基準値は160以下が望ましいとされていたのが、現在では70代・80代も140です。当然高血圧症患者が増えることになります。

ところが最近の研究では、高血圧脳卒中ではありません。脳卒中は血管が破れる『脳出血』『くも膜下出血』と、血管が詰まる『脳梗塞』に大別されます。栄養状態の改善により、かつて多かった『脳出血』は13%に減り、降圧剤服用により、ゴミが詰まり易くなって『脳梗塞』が84%に増えているデータがあり、降圧剤の効果が疑問視されつつあります。

この方は、20年前に高血圧で通院中の動悸不眠改善を目標に柴胡加竜骨牡蠣湯サイコカリュウコツボレイトウを服用し著効を得ました。面倒な説明の嫌いな方なので、降圧剤で血流を抑えても、体が血液を必要として起こる頻脈(動悸)を理解して頂けません。その為半年に一回くらいこの薬を2個ずつお買い上げになって満足しておられます。本当は、この薬をきちんと続け、血圧値を少し高めに設定し、降圧剤を減薬の方が健康的です。