数年前、
友達が数年間闘病されていた
母親を亡くして
哀しみの底に。
その後
誰かに
とあるお寺の
御縁日に行くと
亡き人にそっくりの姿を
参詣の人の中に見つける事が出来る、
というのを聞いて行って来たそう。
でも亡きお母様の姿を
見ることは出来なかったそう。
その話を聞いて、
別人でもいいから
亡きその人の姿を見ることで
慰められることもあるにしても
わたしだったら余計に
本人がいない辛さが迫ってしまいそうだから
わたしだったら行かないだろうな、と
思ったものです。
そんな話を思い出したのは
用事で訪れた町で
「あっ!」と
思う出来事があったので。
「お父さん!」
と声をかけそうになるくらい
三年前に亡くなった
父にそっくりな人が
自転車で目の前を
さっと通って行ったのです。
マスクをしていたので
上半分しか見えないにしろ
その露わになっている部分、
ふさふさの髪の生え際の感じも
目元もそっくり。
あんまり似ているからあれは
実体として存在しているのかしらと
いつまでも後ろ姿見送ってしまったわ。
この事があって思うのは
やっぱりわたしはこれからも
そのお寺に
面影を求めて行くことはしないな、と
いうこと。
懐かしくはあったけれど。
