夫が熱い湯を求めて

とある温泉へ行くというので

付いて行ったところ、

そこは

ききみみ温泉。

 

ききみみ温泉というのは

わたしがつけたあだ名で

そこの湯に来る人々は

おしゃべりで

黙浴とは無縁な人々が

集ってくるから

聞く気がなくとも

耳に入ってきちゃうなかなかに

心安まらぬ温泉なのです。

 

 

 

今回も

わたしがちゃっぷりと

湯に浸かっていると

背中にタトゥーの

若い女性二人がやって来て

「ねえねえ、

どう?

うまくいきそう?」

「うーん、

相手がこんなに乗り気だと

嬉しいけど

ちょっとついて行かないとこあるよ」

 

 

この見たところ

二十代の

娘っ子二人は

同じ年頃の

男子二人と

一緒にやって来ていましたね。

 

ダブルデートってやつですか。

 

今もこの言い方で合ってるのかしら?

 

ちょうど

券売機付近で一緒になったから

覚えておりますよ。

 

それというのも

この四人組がノーマスクなものだから

施設の職員さんが

「ノーマスクの方のご入場は

お断りなんですけど」と

すっ飛んで来ていたのです。

 

お、

なにか

思想的信条で

ノーマスクを貫く所存なのか?と

そこではわたしの耳が

パタパタしていたら、

「あ、じゃあ

マスクここで買えますか?」

 

なんだ

別に思想的信条で

してなかったわけじゃないのね。

 

 

そのうち一組の

紹介で付き合い始めて

ちょっと経っての

様子を

聞き取りしているらしい。

 

 

聞かれている方は

「友達や親の前で

威張りたくなるのは

わかるからそれは構わないんだけど、

二人でいるときも

それされちゃうのはちょっと

イヤかなあ。

 

アタシも

一回もう結婚して

離婚してるんだから

わかってるところあるけど

そこ、

どうかなあって…」

 

娘さん、

若いのに

人生経験おありなのね!

 

 

でもむやみに

威張る男は

よくないわよ、と

要らぬ感想が湧いてきて

リラックス度が減じるので

別の浴槽へ移動。

 

 

別浴槽で寛いでいると

年配の御婦人三人組が

やって来て

そこにいないなんとかさんの

噂話。

 

そのなんとかさんの孫には

一人しか孫がいないらしいけど、

東大に行ってるらしい。

 

御婦人方の

孫は東大なんて

それは立派ね、と

うらやましく思うところと

でも孫がたった一人なんて

それじゃ寂しいでしょ、という

そこは勝ったわ、という

微妙な気持ちを

うま~~~く

オブラートに包みながら

嫌みにならないように

かといって

言いたいことは

わかるでしょ的やりとりが

耳に入り

またも

リラックス度が

減じてしまうので移動。

 

ちゃっぷん。

 

そうしたらまた

娘っ子二人が

恋バナしながら

やって来た。

 

 

ひ~~、

移動が忙しいわい。

 

 

そんな日帰り温泉旅。

今回は

『道中

見かけるけど

入ったことのないお店に

入ってみよう』という夫の提案で

行きにはこんなお店に寄ってみました。

カエルだらけ。

 

席にもカエルが座っている!

カエルだけど猫背。

ハンバーグ。

素材がカエル、という訳ではない。

ケロンソーダ、って

想像するだに

メロンソーダにかけているのでしょうか?

 

わたし、カエル好きなのですが

これだけの物量のカエルに囲まれても

イマイチテンション上がらず。

 

なんでかな~と

考えてみたところ

カエル好きであるからこそ、

好みのカエル、ってものが

あるんだと判明。

 

 

帰り道では

 

ジェラートを食べに。

やはり

器によそってもらうと

ジェラートのおいしさアップ。

 

マイカップとマイスプーン持って

行動しようかしら、とか

思ってしまったわ。

 

今度は食事もしよう。