朝から玉子を茹でて味玉作り。
ぺりぺりと調子よく殻を剥いていると
記憶の層もぺりぺりと剝がれたのか
ゆでたまごの思い出が
ぽこんぽこんと頭に。
ひとつはわたくしがまだ会社勤め中。
お腹に長男が入っている時の事。
会社帰りに毎週
お花の稽古に行くと
先生たるちゃあぶ(以前書いた、
赤ちゃんの頃から
かわいがってくださった方。
ちゃあぶ、は幼少時のわたくしが
なぜかそう呼んでおり、
ずっとそのままの呼び名)が
毎回毎回
「○○ちゃん、
お腹空き過ぎると体に障るから
これをお食べなさい」と
家から茹でて持ってきた
ゆでたまごを一個、
渡してくださいます。
そしてお稽古の前に
もごもごといただくのですが、
「塩分は控えないとね」
とのお達しで
お塩は無しです。
ふつうに考えたら塩無しで
ゆでたまごはちょっと、、なのですが、
その時はそんなこと
ちっとも思わなかったなあ。
そうしていくつ御馳走になったのか、
その時お腹にいた長男、
やたら玉子好きの子となり
玉子の買い出しばっかりしていた
子育て中のわたくしであったことよ。
さかのぼって
わたくしの小学生時代、
毎年夏休みに
東京の祖母の家に預けられました。
そこからおでかけに行く際
祖母が用意するのが
ゆでたまご。
アルミホイルで
玉子を殻ごと丸くくるんで。
塩も別にアルミホイルで包んで。
「ちょっとした虫養い」、と
言っていたような。
確かに腹の虫も
ゆでたまご一個でてきめん
おとなしくなった記憶。
いろんなところへ
連れて行ってもらったはずなのに、
そんなことより覚えているのは、
祖母の取り出す
ゆでたまごの包みの
銀色の丸みと重み。
そんなあれこれを
思い出したら
仕込んでる味玉でなく
基本のゆでたまご
食べたくなっちゃった。
半熟でなく固茹で、
パラッと塩で。