ギャラリーを借りて展覧会をすると、ほとんどの場合ギャラリー使用料(固定費)と販売手数料(変動費)がかかります。
ギャラリーによって価格は違いますが、販売手数料はだいたい売り上げの30%~50%くらい。
わたしたちハルキハウスの拠点は大阪なので、大阪のギャラリーしかよく知らないのですが
販売手数料を気持ちよく払えるギャラリーって正直ありません。
ギャラリーの空間を使用すると使用料がかかるのは当たり前だと思うのですが、販売手数料を払って当たり前だと思えるサポートをもらえるギャラリーは大阪で2件だけでした。
販売手数料は、平たく言うと作家へのサポート料なのですが
集客力、営業力、販売力、広告宣伝ネットワーク、企画力、などが長けているからこそできる作家をサポートする費用です。
でも、どこのギャラリーもだいたいいつもガラガラです。珍しく人が多いなって時は人気の作家の展覧会です。要は、作家の集客力によるのだなと思います。
私がギャラリーの販売手数料に対して懐疑的になったきっかけは
大阪では結構名が知られたギャラリーで、ハルキハウスの画家橘ナオキの個展を1週間したことがありました。橘ナオキが大阪の公募展で優勝したのでその副賞としての個展開催でした。
打ち合わせの際にオーナーとお話したら取り扱う作品にはこだわりのあるかただったので
私たちが知らないお客様をたくさん呼んでくださるだろうし、ギャラリストの販売手法や営業トークも学べそう!ととっても期待していたんです。
コロナ禍だったのでいつもの彼の個展よりも来場者は少なかったですがそれでもファンの方々が来て下さって、私たち二人で毎日在廊して売り上げも100万近くありました。
期間前と期間中にそのギャラリーがやってくれたことは
ギャラリーのHPで掲載&SNS発信、私たちが作って印刷したDMハガキ300枚をそのギャラリーのお客様に郵送し、数人のお得意様に声をかけていたこと。期間中は、私たちのお客様が来ても大して接客することもなく、レジをしてくれただけでした。私たちに紹介してくれたギャラリーのお客様は5人もいないほど。
そして、個展が終了した際に
「今まで(オープンして約20年)で2番目に来場者が多くて、接客も勉強になりました」と言われました。
もちろん、規定どおり販売手数料は40%お支払いしましたけれど。。。。
このように、集客力も営業力も販売力も拡散力も、良く言ってそこそこのギャラリーがほとんどじゃないかと思います。20年前は、ギャラリーの影響力があったかもしれません。でも今ではSNSで作家自身が発信していますし、作家の発信力がギャラリーより勝ることの方が多いような気がします。
そのような作家たちは、場所さえ貸してもらえたら自分で売ります。SNSが得意であればネットで売れますし。
なので、現在のギャラリーの多くは拡散力もない販売力もない売れない作家が相手になりますし、より双方が儲からない循環になるのかなと。。。
この時代に合ったギャラリーの価値を見直していただきたいなと思っています。

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