片道60キロほどのショートツーリングを使って、現在装着しているFUEL X Proのテストを再度行ってみました。その結果です。

 

装着車両は

KTM 125DUKE 2019年式

使用プラグ BRISK MR12ZS

ヨシムラ R11 社外バッフル

オイル MOTUL 7100 10W-40

という条件です。年式やオイル、プラグ、マフラーによりエンジンのコンディションが変化するため、この装備でテストした結果、という事になります。

FUEL Xにも年式があるらしく、最新の物は本体からバッテリー向きにアースが出ているようです。当機に搭載した物は旧型でアースの無い物になります。

今回のルートは海沿いに近い県道で、多少のアップダウンはあれど、ほぼ平坦な道のりです。

 

正確に効果を検証するため、出発時はFUEL Xは外します。DUKEはイグニッションコイルとそのカバーを共締めしている2本のボルトを取るだけで、簡単にO2センサーのコネクターにアクセスできます。緑色で、ロック機能がついた大きなコネクターです。FUEL XはO2センサーとECUの間に噛ますシステムなので、ここを外して本来の配線にする事で、FUEL Xを車載したままでノーマル状態にできます。まぁまぁ簡単な手間です。

前回の3都ツーリングで200キロほど走っていますが、その時は設定7で走っています。日頃はFUEL X搭載に慣れ切った運転をしています。

さて、ノーマルに戻した後に出発。久々にノーマルに乗った感想は、けっこうギクシャクするなぁ、です。

回せばパワーが出る分、ドン付きもハデで、渋滞路はギクシャクした乗り心地になります。こんな感じだったかなぁ?と思いながらも、距離を走っていくうちに身体の方がアクセルワークを理解して、適正な運転になるはずです。反応は良いが敏感なアクセル。よく効くブレーキ。ギクシャク要素は満載ですな。

折り返し辺りではノーマル状態にも慣れてきて、思う様に走れてきます。峠とかじゃないので、まぁまぁ悪くない感じで乗れてると思います。

折り返し地点で休憩しつつ、今度はFUEL Xのコネクターを繋ぎ、有効化します。設定は7。ライト版の1段階上の設定です。

普通に発進し帰路に着きますが、その時点でこのサブコンのナチュラルさに気付くことに。特に加速が良くなるとかではないのだが、明らかに往路と違うフィーリング。フケ上がりが素直で、ドン付きしない。

インジェクション車両は、排ガス規制を無視したとすればモーターの様に奇麗に回るセッティングにできるはず。逆に規制した車体の場合、特にアイドリングから中回転域までは、ガスが濃くなるのを抑えつつノッキングしないようなギリギリのラインでガスを薄めてるはず。それを解消するのが、こういうサブコンと言われるシステムと思われる。

どのサブコンの説明書きを見ても、低速トルク等のアップがメインのワードになっているし、この付けた感じが判りにくい、というのが最も効果が出ている証だろう。なにせナシ状態で出発した往路は渋滞時にギクシャクしまくりで、サブコン付きに慣れていた為かめちゃくちゃ乗りにくかった。有効化後は横着な運転もカバーする優秀な車体になり、急加減速や渋滞でも安定したフィーリングになってくれる。効果ナシっぽく感じていたが、やっぱ絶対アリだな、と思い直した。正直効果がないなら売り払おうかと思っていたが、絶対に有った方がいい!と思い直す結果となった。

 

さて、以前にも書いたが、このFUEL X Proは10段階設定ができる。3がノーマル相当との事なので、実質7段階。1・2はノーマルより薄いらしい。燃費命の人専用モード。

6が設定変更ナシのライトと同等との事で、最初は6から始めたのだが、7で調子が良かったので極フリして10を試してみた。MAX設定である。

結論から言うと10は市街地走行には向いてない。明らかに濃くてガス臭い。常に高回転を使うサーキットや峠道専用と考えればいいだろう。ちなみに9も同様だった。

市街地でストレスなく走るには6~8が有効だと思われるが、正直違いは判らない。設定に書かれている燃料増加具合が、7~8が大幅な増加で9~10がより大幅な増加となっている。ストップアンドゴーが続く市街地の場合、7より下の4~6、適度な燃料の増加の方が使い勝手は良いかもしれない。自分的には6か7あたりが一番いい感じに思えた。

販売元の説明では、設定を変更した場合、学習に10分程度の走行が必要だといい、その間はシステムが試行錯誤しているらしい。コロコロと設定を変えてもその設定値の性能は分かりづらく、設定変更後は30分は使ってみないとどの程度のシステム介入なのかは分からない。

これは自分の機体だけ、の事かもしれないが、高濃度設定に変更した場合に信号停止などで停車した場合、高確率でO2センサー異常が発生した。市街地でセッティングした場合、停車は確実に必要になって来るが、アイドリング状態で燃料が濃くなりすぎるのかO2センサー異常が多発した。設定変更後10分以上走行し続けれた場合は、どんなラフなアクセルワークでも異常は発生しなかった事を思うと、やはり極低速域では濃くなりすぎてエラー発生、となってしまったのかもしれない。

販売元にこの件を問い合わせたのだが、2次購入という事で明確な返事が返ってこなかった。実に残念で遺憾であるとしか言えない。

ただ、再度書くがこの現象は当機のクセという事も考えられる。全ての車体がこうだとは言えない。FUEL Xのインプレ数が少なくて対処方法等が分からないのも痛い。サブコン類に手を出す場合は、OBD2診断機は必須アイテムだとも言える。

 

上記のように、サブコンはアリ!という結論となった。何と言っても運転しやすい。ノーマルに慣れていればこそ、各種サブコンを付けた車体に乗ってみれば、その差がすぐにでも分かるはず。ただ、どれも高額なので躊躇はすると思う。しかしながら払った金額に似合う結果はある。

FUEL Xは買い!のアイテムと言える。特に125には有効なシステムと言えよう。

リアシート下に入れた本体。すぐ左がOBD2カプラ。

これからもベストな設定を探っていきたいが、しばらくはOBD2診断機を持参しないといけない予感…濃ければ良いという物でもなく、走るステージや乗り方にも左右される。インジェクションになってもセッティングは正解の近似値に近付くのは相当の労力がかかるものだと、改めて思った次第。