バイクは趣味であり、かつ自分の作品だと思っている。
どこにでも乗って行ける、小さな展示会場。
オーナーにはそれぞれ趣味嗜好があって、チョイスされているパーツ類も違う。故に面白い。
走るスタイルや好みの色、形。乗っているオーナーそのものがマシンによく現れている。
同じ車種同じカラーのバイクを並べても、完全ノーマルでなければどこかに違いがあるだろう。
そして大体のオーナーは自分のバイクを自分色にしている。
どれだけ大切にしているか、ちょっと見れば解るというものだ。
マフラー選びもまた、個性が出るところ。車種の次に目が行くのは、どのメーカーのどんなマフラーが付いているかだ。オーナーの主張を色濃く反映するパーツ、それがマフラーだ。
KTMは海外のメーカーだけあって、パーツ類も海外メーカー品が多い。
事にマフラー類は圧倒的に海外品だし、メーカー純正オプションもアクラ。
ポン付けできるパーツでは一番値が張るマフラーだが、多種多様な物の中からコレだ!と思う物を見つけるのはなかなかに骨が折れる。
迷走した結果をここに並べておく。果たしてどれが一番似合っているのだろうか?
ちなみに個人的シュミでサイレンサー取付位置はノーマルより上げている。チャンバー室より後方の、いわゆるスリップオンのみを交換している。
最初はノーマルマフラー。
コレを比較対象として載せてないといけませんな。
安心のノーマル。最近型のRCシリーズなんかは超カッコイイノーマルマフラーですな。
音が気に入らない以外は変える必要は無いが、125は静かすぎてエンジンのメカノイズしか聞こえてこない…。
最初に替えてみたのはARタイプサイレンサー。
見た目スッキリ!超ショートサイレンサーは長さ100㎜で、後方から見た姿はなかなか迫力がある。
しかし100㎜に消音は求めるべきではない。そして、変なバッフルを付けると余計にうるさい。
1時間も乗ると耳が死ぬ…。
続いて替えてみたのは、チャイナ製アクラタイプ。
コイツは全長が300㎜近くあり、しっかり消音する。
そこかしこが手抜きな作品だが、同様のサイレンサーの中にはA級と呼べるコピー品もある。
まぁ、差込口が再現できてない時点でダメなのだが、見た目は悪くない。
これでも悪い事はないのだが、やはりパチモンをいつまでも付けておく気になれなくて終了した。
そして3本目。
IXRACE製がカッコ良くて入れてみた。
さすがちゃんとしたメーカー品。細かい所まで奇麗に作られていて、コレはおススメできる一品。
なのだが、音がデカい。レース専用品。以前使っていたトリックスターのサイレンサーもレース用だったが、ここまでうるさくなかった。KTMカップにさえ通ればいい音量なのか?
いい音なのだが、渓谷に近い地形の我が家近辺では音量があり過ぎてNGだった。
そして4本目。
海外製品は、純正オプションのアクラ以外はダメだと悟って、どうせなら好きなのを付けよう!と開き直りUSヨシムラをチョイス。
690がR11だったので、今度はR77をチョイスしてみた。
久々のオールカーボン。125とは思えないアイドリングとブリッピング音に期待値爆上げ!
だったのだが、どうにもUSヨシムラ製品は大排気量車専用みたいな面があり、見ての通りサイレンサー本体がデカい!これはGSXR1000R用。しっかり消音してほしいので、大型用を仕入れたがデカすぎた。
そして走らせるとノーマルサイレンサーと変わらない音にテンションはダダ下がり…。
さすがに1000㏄用はデカすぎた?サイズも音もコレはムリと諦めて、次にいってみた。
迷走する事5本目。
ヨシムラのR77は国内モデル用も多数あるのだが、なぜかサイレンサー固定スプリングが平行方向に2本と、手持ちのパイプとの互換性が無い。色々と考えたのだが、ここは前と同じR11でいくか、と思い仕入れてみた。ちょうど安くて良いのが出回ってたんですよね。
これはCBR250RR用。サイレンサー単体で売られていたためか、買い手が付かずに安値で回ってて助かった。バッフルも汎用品しかついていない。国産車の250用なら、消音的にも問題ないと思っていた。
サイレンサーしか無いので手持ちのパイプと合わせて装着準備をしていく。
ヨシムラは差し込み口56Φくらい?なのだろうか?手持ちのパイプは50.8なので接合部を太らせないと付けられないし、変換アダプターなんかもこのサイズのは無い。
そしてサイレンサーバンド式ではないので、ブラケットのエクステンドを改めて作らないといけない。ヨシムラもブラケット+エクステンド式にして、多数の車種に合わせているくらいだから、理に適った方法。今回はドライカーボンでエクステンドを製作してみた。
単純な形状だったし、手持ちのハギレとサイズが合ったのでコレにしてみた。
いやしかし、ドライカーボン板(5㎜厚)を加工とか、マジでやりたくねぇ。とにかく硬い!ノコギリとかで切ろうとしても、その異様なまでの摩擦係数で歯がすぐにダメになる。穴開けも同じ。ドリル破壊素材だ。そして何より最悪なのはその切子。これが肌に付着すると、耐性の無い人はカブれます。FRP加工と同じなんですよね。まぁ大変です。作業は屋外を推奨しときます。
同時にマフラーステーも再製作。こっちは3次元形状なので、アルミ板をひん曲げて作りました。
サイレンサー位置を出来るだけ上げたくて、ステップスレスレのステーを作ってみました。右側から見るとどうやって釣ってるのか分からない、目立たない形状の物が作れました。これ以上カチあげしたいなら、タンデム不可にするよりない限界点まであげてみても690のノーマルと同じくらいという…ステー製作がかなり面倒だった事もあり、納得いく物が作れて満足ですわ。
肝心の音はというと、そこそこあるサイレンサー容量のおかげで、なかなかいい音が鳴っています。125とは思えないアイドリング音は前のR77に似た感じですが、回して乗ってみた感じではしっかりした排気音。IXRACEみたいに弾ける甲高い感じではなく、やや低音寄りのよく響く音です。
しかし、125のくせに690より排気音が大きいとは。690の弁当箱がどれだけいい仕事をしていたのか、今さらながら感心しました。音量的には690より迫力ある音になってる所は、何とも言えない感じです。逆に690は静かだったなぁ、と改めて思いました。まぁ、回せばいい音していましたがね。
前々から気になっていた、チャンバー部とパイプ部のクランプ。
ノーマルはプレス品の組み合わせっぽい物で、強度的に心配だったのですが、良さげな代替品が見つかったので付け替えました。
ステンレスバンドのカップリング。溶接が剥がれない限りは強固に締結してくれるでしょう。ARタイプみたいなサイレンサーを釣らないタイプでも、これくらいの物で締結していれば安心です。
そして気になっていたもう一つはエラー表示。
購入店に持って行こうかなととも考えていたのだが、表示以外は問題ないので延び延びに…そして思い切って買ってしまいました。
OBD2診断機。Amazonで3000円もしないコレなのですが、評価もまぁまぁだし、使えなきゃ返品すりゃいいや的に購入。
しかしバイクではそのまま使える訳でもなく、アダプターが必要。しかも、OBD2なんてちゃんとした規格があるくせに、コネクター部分はメーカーによってバラバラという…この右側のデカいコネクター!バイク用は左側の小さなヤツですわ。最初は安い変換コネクター買ったんですが、結局はダメで返品してキタコのヤツに買い直し。この変換コネクターの方が診断機より高いという…納得のいかない価格設定ですな!
無事接続完了。
最近は診断機代わりにスマホでチェックするアプリと、アプリとバイクを繋ぐ無線システムとかもあるみたいだが、相性が悪いと読み取り不能とかのレビューもあって、やや割高だがモニター付きの診断機にした。どっちにしても変換コネクターは必要なので、価格的に大差なし。
このモデルは電源もバイクから取るもので、キーオンしないと何もできない。接続さえできれば、エラー解除はラクラクできたので、投資した元は取った。今後も使う事があると思われるし、型の新しいバイクならコネクターさえ買えば使用できるので先行投資という事にしておこう。
色々と悩んで買い替えてを繰り返したこのマフラー選び。紆余曲折を経て再びヨシムラに舞い戻った訳だが、やはり自分の好きな物を使うのが一番いいですな。
ヨシムラ製はKTM用のラインナップは690しかないし、USヨシムラの物はけっこうなお値段になるし入手が困難。250の時も諦めたチョイスだったのですが、この安物な連結パイプが色々と夢を見せてくれました。
今回、ちょっと面倒な加工とかをして装着しましたが、その手間に似合った見た目や音になり満足し極です。国産車なら選択肢が凄かったのでしょうがね。
わざわざKTMに乗るという事は、やはりこのメーカーのコンセプトに共感しているからでしょうか。とにかく刺さるマシン造りをしてくれるメーカーだと思っています。自分が乗りたいバイク、求めてるバイク、それがKTMのマシンだという事です。最近国産車に乗ってないので、さらに分からなくなってる気もしますが。
ようやく春の兆しも見え始めました。
今年こそ楽しく走り回りたいものです。近年は全然乗れてないので切実ですわ。