先月中ごろくらいから、どうにもろくでもない事が色々とありました。

仕事のオフシーズン的な夏前は、日中座っている事が多くて、年のせいもあってか膝が痛くなる事が毎年のように起こるのが5~6月。

そんな5月末に家の階段で足を滑らせて2~3段落下。左手薬指をしたたかに打ち付けて酷い打撲。右手も擦過傷と手首を捻ったのか地味に痛い…。

そんな状態もあって、何をするのも億劫な日々が続いているのですが、それと並行してとんでもない事態が勃発しておりました。

 

階段から転落した数日後、八重の部屋を掃除していた時の事です。

我が家は掃除する際に退避してもらうカゴがあるのですが、その中で八重はおしっこをしてしまいました。

カゴの中で粗相とか、もうずいぶん前に卒業した八重にしては珍しいと思って見てみると、そこにはピンク色の水溜まりが…血尿!一瞬で凍り付きました。

思い返せば最近は食事の量が少なくなってるな?とは思っていました。気温変化が激しくなってきて、日中はかなり高温になり、エアコンを使用し始めた時期もあってそちらが原因と思っていました。

こういう事例はよく聞くし、まずは病院にいくよりない。

体中痛いのですが、それを押して病院に連れていきました。

エコー診断をした結果、見事に膀胱結石であると判明。そして、これは薬で治療したりできなくて、外科的に取るより方法はないと聞きました。更には再発する可能性が非常に高いとの事も。

なら手術するよりない。そう思います。しかし、その時の自分は一連のろくでもない出来事や身体の不調もありその場で判断する事はできませんでした。

病院からは薬をもらって一旦帰宅。

その後、仔細に観察していると、トイレ体勢になっている時に、非常に辛そうで小さな声で鳴いていました。

そんな事を目の当たりにして、自分はなんでその場で決められなかったのか凄く後悔しました。

そして悪い事は続くようで、薬を飲んでも一向に良くなる気配がなく、食事量も排泄量もみるみる減少していきました。

どちらにしても、手術をする場合は予約して順番待ちという事になるので、すぐすぐに、という事にはなりません。さらに6月はスケジュールが一杯らしいとの事を病院の事務さんから聞いていました。

土日に投薬して様子をみましたが、せめてもの痛み止めも効いてる感じがありません。

ここに至って、自分の心が折れてしまいました。

何もしてやれない自分がふがいなくて…あんなに小さいのに頑張って生きている八重を見て、無力さを噛みしめるよりなかった自分。

とりあえず病院に手術の予約を連絡して、飲みこぼす薬を確実に全部飲ませるために、嫌がるのを捕まえて薬を全部飲み切れるようにして投薬しました。

その後、病院から連絡があり、手術の日取りも決まりました。8日後です。万が一の時は、いつでも連絡してくださいとの事。頼りになる先生が近くにいてくれて本当に助かりました。

 

手術の日取りが決まったのち、八重はやっと薬の効き目が表れてきたのか、トイレ時に泣いたりする事もなく、小康状態となりました。

ただ、やはりストレスが多いのか、普段は齧らない所までやたらと齧ってまわり、藁マットなんかは数日でボロボロに…

そんなこんなで手術当日。

朝に八重を預けにいって、帰ってからは八重の部屋を徹底清掃。帰宅後は痛みであまり動かない事は判っているので、近場で全部用が足りるようにしてお迎え準備も整えました。

そして午後…病院から電話が!

この時間帯に病院から電話があるなんて、ろくでもない事以外は考えられません。

意を決して電話に出ると…

「術前のレントゲンで結石が見つからず、再度エコー等で見ても結石がありません。どうやら自然排出されたようですね。安心してお迎えに来てください。」

ええ、とても脱力しました。いや、自然回復したのは本当に良かったと思います。八重は痛みに耐えてめちゃくちゃ頑張って生き延びました!

小さいながらも生命力あふれるこの子達は、何としても生き延びようという生命力がDNAに刻まれているのでしょう。

 

こうして結果からすれば、自然治癒した、という事になります。

エコーで見えた結石は2つ、一つは5㎜大のものでした。

今思えば、あの小声で鳴いていた時に排出されたのかもしれません。投薬4日目くらいからは薬もおとなしく飲むようになったし、生野菜なんかはいつも通りがぶり寄りで催促してましたんで…食い意地が結石に打ち勝った?

正直、終わったから言えるのですが、手術代はかなりの高額の予定でした。

バイク乗りの方が多いので想像できる金額で言えば、かなりいいタイヤを前後交換して工賃まで含めた総額、といえばお分かりになるかと思います。

払えなくはないが、家計崩壊一歩手前の金額です。予定外ですので…

そんな金額を提示されていた事もあり、家計と命を天秤にかける、などという事が咄嗟に頭に浮かんだ事は事実です。今は絶対無理。病院ではそう思ってしまいました。

ですが、もらった薬も効き目がない、食欲減退とかを見ていて、自分の心が耐えられなかった。

老衰や重大な疾患で手の施しようがない、というような事態であれば、諦めもつくでしょう。

ですが、手術をすれば良くなる、例え再発の可能性があったとしても、今のこの状態は打破できる。

もうどうにでもなれ!人間は色々ガマンできるがこの子達は無理だ。飼い主が救わなきゃ誰が助けてくれるんだ!

ある意味開き直って手術の予約をしたのでした。

気持ちを切り替えればすぐにでも動けた。命を預かっているというのはこういう事。

例えそれが小さな動物だったとしても、自分たちの家族を優先しない道理はない。

今後、これで迷う事は無いでしょう。

 

八重は元気が戻ってきて、食事も排泄も元通り。大きな声でおやつを催促するのも以前と変わらず、ようやく安堵しているところです。

頼りない飼い主ですが、これからも気を引き締めてお世話していきたいと思います。