どうも。


今日は、頭上から落ちてくるハトのフンを自転車に乗りつつ、間一髪よけました。


神技。


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さて。


秀吉の忠臣、黒田長政の父、黒田官兵衛(如水)の半生を描いた作品です。



歴史小説というのはいろいろありますが、僕は吉川英治の小説が一番好きです。



その大きな理由は、歴史を語りながらも人間性に重きを置いている、というところです。



この『黒田如水』でも、書かれているのは若き日の官兵衛(30過ぎくらいまで)、中国討伐前夜までです。



中国、九州征伐、と秀吉の片腕といわれた官兵衛がどのように人間的に成長していったか。



そして、思い出すべきは父子の別れと再会の場面です。


信長の人質となった子、松千代(のちの長政)が生きて官兵衛と陣中で出会う場面はティッシュ100枚では足りません。


吉川英治自身も作品中で、自分の稚拙な文章よりも、読者の想像に委ねたほうがよい、と書いています。




あまり、多くの史実が書かれていないので、戦国時代が好きな人におかれましては、さぞご不満で、はがゆい思いをなさるかもしれませんが、半熟卵のような僕には、このような歴史小説のほうが向いているみたいです。




ああ、武士のこころはいつの世もはかなく、美しい。