過ぎ去ったのは桑田さんの青春だけではありません。

ロックンロールもまた過去のものとなりました。

タイトル「過ぎ去りし日々」には、桑田さんの青春とロックの時代の終わり、その両方が重ねられています。


60年代から80年代、ロック最盛期に青春を謳歌した桑田さん。

ロックの申し子として同時代の空気を吸い込み、数々の名曲を世に送り出しました。

しかし、何やら得体の知れないテクノロジーが音楽に浸透し、桑田さんはいつしか還暦を超え…


「うらぶれGoing down

さらば『全盛期(あの日)』のブーム」


「今ではONE OK ROCK

妬むジェラシー」


俺とロックの時代は終わった、今はワンオク(この曲リリース当時、事務所の後輩)の時代だ、とついぼやきたくなったのでしょう。


もちろん桑田さんの時代は終わってなどいません。

大病を乗り越え、ソロ活動の集大成「MUSIC MAN」を完成させ、サザンを復活させ、アルバム「葡萄」をリリース、紅白で歌い、紫綬褒章を授与され、まだまだ若いもんには負けていません。


「I'm gonna make you smile
Don't you cry
鏡の向こうの友よ」


鏡に映る自分を「泣くな、俺が笑顔にしてやる」と自分で励ます姿はなんともいじましいです。


うらぶれ Going down
さらば「全盛期(あの日)」のブーム
今では Back in town
独り Lonely room
腰振り歌うは いなせなロックンロール
日に日にダメんなって
来たんじゃない!?

その名も TOP OF THE POPS
栄光のヒストリー
今では ONE OK ROCK
妬むジェラシー
女(オナゴ)のベッド 揺られてホンキートンク
あの頃はサマになって
フィーリング・グッド!!

無理したってしょうがないじゃない
若い時と同じようには
Time goes by

I'm gonna make you smile
Don't you cry
鏡の向こうの友よ
I'm gonna let you fly
Space and Time
宇宙(そら)の彼方まで
Singin' Pop Pop Pop Pop







「ビートルズから教えてもらった事を、そのまんまやっただけ」


桑田さんがライナーノーツに書いてます。

ギターフレーズや、原さんも参加しているコーラスワークがまさに初期ビートルズを彷彿とさせます。


キースリチャーズがロックンロールは筋肉で鳴らすもんだ、みたいなことを言ってましてが、まさに名うてのミュージシャンの肉体が奏でる一曲目に相応しいノリノリなロックナンバーです。


「おじさんアドヴァンテージ満載のこの曲で、さぁ『がらくた』を始めよう‼︎」と桑田さん。


集大成「MUSIC MAN」のその後の音楽を桑田さんはどのように奏でるのでしょうか?