バランス感覚に優れた桑田さん。

真面目になりすぎたアルバム「葡萄」を軽く、明るく、楽しくするために「天国オン・ザ・ビーチ」を収録しました。

初出はシングル「東京VICTORY 」のカップリングとしてです。

アルバムの完成度を考えるなら改めて収録するナンバーではない気もしますが、そこは桑田さん。

デビュー当時からの「たかがロック」的アティテュードでサザン特製幕の内弁当の隙間に詰め込んでくれました。


タイトルはビーチ・ボーイズ「ガールズ・オン・ザ・ビーチ」より。

歌詞も近藤真彦からドリフターズまで、過去のヒットソングの引用が散りばめられています。




(Let's Go!)

輝く太陽 あの娘(こ)に逢いたい
ギンギラギンにやっちゃうよ!!
生まれたまんま 男と女
濡れて弾けてチュッチュッチュ (チュー)

イルカに乗って 遊びに来た僕らは
海辺のホテル 空いた部屋無く
キャンセル待ちだよ

甘いよメロン デカイよスイカ
割れ目が「ジュン!!」と鳴っちゃった (鳴っちゃったー!!)
種を飛ばそう 果汁(しる)を垂らそう
カラダが目当てパイのパイのパイ (オッパーイ!!)

谷間がエロス ピリ辛タコス アン ドゥ トロワ
蒸し風呂車内 吹き出す汗
反り立つトーテムポール

走れ真夏のドライブウェイ (Go!Go!Go!Go!)
愛をこの手で掴もう!! (Go!Go!Go〜!)
熱い砂の浜辺で
あっちっち GO 広い海 GO







下ネタ全開。

桑田さんの筆が暴走し、彼自身にも止められません。

これまでの詩的な官能とか、比喩的エロスはここにはありません。

まるで覚えたての下ネタで盛り上がる小学生のようなノリです。

ポップソングにおいてエロスを高次元に昇華した桑田さんだからこそ許される低次元のエロ歌。

何も考えずに、楽しく聴くのが正解です。

批評などは論外。

世代、ジャンル、性差を超えたPVを観ながら一緒に楽しみましょう。