「EARLY IN THE MORNING」=「早朝」

ありがちなタイトルだ。

実際、クラプトン、BBキング、クリフ・リチャードらに同名異曲がある。


特にクリフ・リチャードの「EARLY IN THE MORNING」は有名だ。

邦題は「しあわせの朝」 

窓を開け放ち、両手を広げて朝日を迎え入れる。

早朝の新鮮な空気を吸い込み、人生は素晴らしいと歌う。


一方の桑田版「EARLY IN THE MORNING」

朝から一発やっちゃおうの歌。

副題は「旅立ちの朝」…


イメージとしては20代後半の社会人カップル。

会うのは週末のみ。

土日のお泊まりを経て迎えた月曜の朝。

会えないウィークデイの始まり。

時計を見ると仕事に行く時間。

突如、込み上げる欲望。

遅刻だ、でも、我慢できない…



Get it up!! Wake it up!!

What time is it!? 目覚めればSunrise
It's time to go 遅刻さ!! でもMy baby!!

カラダの奥から 突然 炎が燃え上がる!!

もったいないぜ"月~金曜日"の人生
"生身"が無性に恋しくないかい?

わかっちゃいるけど止まらない
糸を引く愛の露

キミとEarly in the morning
欲望で真っ赤なSunshine
キミにアモーレ ミ・アモーレ
イカせて!! Weather's so fine.


ヤッちゃいな!! Early in the morning
ガチンコで勝負だ!! Sunshine
出掛けるその前に
イカせて!! ウットリ You're mine.

Woke up this morning… ドゥルドゥル…








この曲は「めざましテレビ」のテーマ・ソングに起用された。

桑田さん以前にも「めざましテレビ」のテーマ・ソングを手がけたのは山下達郎、竹内まりや、小田和正などビックネームが並ぶ。

一日の始まりに相応しい爽やかなナンバーばかりだが、桑田さんの曲はどうだ?

いくら「めざましテレビ」だからって、朝から一発はニュース番組の冗談にしては過激すぎる。


この曲を受け入れたフジテレビはすごいけど、この曲を受け入れさせた桑田さんはもっとすごい。

例えばどこぞの新人がこんな曲を提出したら番組プロデューサーの怒りを買い、テレビ業界から永久に干されるだろう。


「インドネシアン歌謡と、マドンナの影響が色濃い」「エロス全開のバスドラ4つ打ちビートの曲」(桑田佳祐ライナーノーツ)


バスドラ4つ打ちビートは過去に「Yellow Man」がある。

「Early 〜」と「Yellow」はサウンドもメロディ展開も兄弟のように似たもの同士だ。

アッパー系のサウンドに導かれるとき桑田さんの暴走は止まらない。

「Yellow Man」では海外ロックの物真似に堕する日本のミュージシャンを徹底的にこきおろした。

「Early〜」では朝から一発の歌詞にコーラスよしえ師匠の喘ぎ声。

テーマは違えど悪ノリは加速する。


「マドンナの影響」とあるが、桑田さん、マドンナの「Confession Tour」に刺激されたらしい。

エロスとエンターテイメントが同居した隙のないパフォーマンス。あれはマドンナにしかできない素晴らしい舞台表現だった。

当然、桑田さんがマドンナの真似をするわけがない。

そこで桑田さんは桑田さんにしかやれない、やらない表現で「Early 〜」のパフォーマンスを披露した。


桑田節はバラードだけではない。

こういう確信犯的下世話なエロスも桑田節のアイデンティティなのだ。























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