うす汚れた現代社会を「汚れた台所」のイメージに託し痛烈に批判する。
台所とは食事を作る場所であり本来は衛生的でなければならない。にもかかわらず、いま(1996年当時、いや現在もだが)そこは汚れている。
 
image
 
「ヨシ子さん」でディランを「神」と呼んだ桑田氏、「世に万葉の花が咲くなり」以降、世相を撃つときはディランの鎧を身にまとう。
 
汚れた台所 泥にまみれたブーツ
ひとり住まいのヤニ臭い部屋で女神はポーズ
”愛してるのさ”と彼女に乞うと
”金さえくれたら脱いでもいいわ”
Yeah Yeah
 
朝夕のラッシュ 夢にまで見たマイホーム
守るべきモノ有り、キナ臭いはずのサラリーにキッス
”出世したいか?”と上司は問うと
”会社のためなら記憶は消せよ”
Yeah Yeah
 
絵に描いたシンボル達やロックンロールは死んだ
あわよくば人生なんて風まかせ
”体制はナンセンス”なんて誰が叫んだ?
平和という神経ガスにCheers!!
 
もっともディランスタイルはボーカルと曲の構成のみに適用される。押し潰した声、ヴァース→コーラスをひたすら繰り返す展開。
アレンジに関して言えば今回はハードロック。
曲の根幹を成すギターリフとパワードラム。
サザンが叩き出すヘビーサウンドが堪能できる。
 
サザンと言えばポップバンドのイメージが強いが実はハードな演奏も得意とする。
このあと9曲目に登場する「Soul Bomber」、「怪物君の空」、「NO-NO-YEAH/GO-GO-YEAH」、新しいところでは「Missing Persons」などこれが60オヤジの演奏かと耳を疑うほど力強い。
 
ディランとハードロックの融合である「汚れた〜」の対極に位置するのがソロの「漫画ドリーム」。これはアコギとエレキだけの演奏。
ソロも含め桑田氏が作ったディラン系の曲ではこの2曲が白眉であると思う。ぜひ聴き比べたい。
 
 
 
 
 
 
 
「漫画ドリーム」収録のソロアルバム。1994年リリース。↓↓↓
 
孤独の太陽 孤独の太陽
1,826円
Amazon
 
 
 
 
 

 

(テレ東の「カンブリア宮殿」でも紹介された兵庫県のクリーニング屋さん。従業員のおばちゃんたちによる無料おせっかいサービスが人気。無料6ヶ月保管サービスもありがたい)