シャレたマンボのようなステップ

それが1.2.3.

俺とスイムに乗せて

踊ろうディスコティーク

 

いかす女は真赤なレザー・パンツ

やがて酔狂にtwist and shout

ひとりぼっちのねえちゃん

もうちょいと寄ってんさい Ah Ah

Hey Baby

 






1989年11月21日、サザンオールスターズ27枚目のシングル。

 

ウッチャン・ナンチャン、ダウンタウン、清水ミチコ等が共演した深夜番組「夢で逢えたら」の主題歌でもあり、1986年の活動休止以降、初のアルバム「Southern All Stars」(1990年1月13日リリース)の冒頭を飾る曲でもある。

 

フリフリ’65というタイトルについて、「クワタを聴け!」の中山康樹氏は以下のように書いている。

 

「スパイダース『フリフリ』(かまやつひろし作)を引っぱり出して「フリフリ’65」としたところにクワタの照れと洋楽的邦楽開拓者=かまやつひろしに対する敬意が表れている。

ちなみに1965年は『フリフリ』が発売された年、また翌年にはスパイダースによる英語ヴァージョン『フリフリ’66』も出ている。またクワタが初監督をつとめた映画『稲村ジェーン』は1965年の鎌倉市稲村ケ崎が舞台となっている。」

 

1965年頃は日本におけるディスコ「黎明期」であり、バンドによる生演奏が主流だった。

ディスコでの腰を振りながらのダンス、ツイストをフリフリと表現しているのだろうが、サザンにおいてはセックスの際の腰のフリフリも意味として重ねられていることは、「性行為と同義」という歌詞からも明らかである。

 

例えば、「C調にup and down」、「流暢にsqeeze and grind」、「ご自由に飲んだんさい」等、twistとセックス、アルコールと口内射精のダブルミーニングが随所にちりばめられている。

 

シングルとしてリリースされ、復活後、初のアルバムのオープニングナンバーにもかかわらず、ファンの間でも地味な扱いの楽曲ではないだろうか。サザンとしてはオリコン初の1位を獲得した「さよならベイビー」と大名曲「真夏の果実」との間にリリースされ、確かに楽曲そのものも派手さはなく、終わり方は早漏のセックスのようにあっけない。

 

だが、注目すべきは「女神達への情歌」もそうだが、地味なナンバーをあえてシングルにできるだけの権力を桑田がこの時点で得たことだろう。

キャッチーでコマーシャルでシングルヒットを狙えるナンバーだけではなく、前衛的でアーティスティックな、アルバム収録のみにおいて許される冒険的なナンバーをあえてシングルとして切ることができる。つまり、彼の巨大な才能に所属事務所のコマーシャリズムもひれ伏したのではないか。

 

アーティストが表現の自由を許されることは、精神上衛生的な活動を続けるためには不可欠である。

 

 

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