タイトルはビリー・ジョエル「Just the Way You Are」の邦題「素顔のままで」より。




「歌詞にはビリー・ジョエル「グラス・ハウス」一曲目の原曲名〈You may be right〉がそのまま、さらに〈素顔のままでいい〉というフレーズも登場する。」(中山康樹「クワタを聴け!」)




ビリー・ジョエルの邦題よりも「素顔で踊らせて」の方が詩的だ。
冒頭の歌詞などは作詞家として腕を上げたなと思う。




Seachin' for my honey 唇を奪いとるよりは Oh
一言のため息が混じる おしゃべりでいいわ

What is your name ? 彼女のような[そのような]
Lady oh ! Let's talk about 胸元には そっと指先で

Sittin' in the meadow 心では泣いていることも Oh!
このごろじゃ彼女を見てるとわかるようだもの

I don't know why ためらうような[そのような]
Lady,oh !
You may be right 秘め事なら もっと大切に
2月26日には ささやかな二人の絆 

ためらいは とうに止めて心踊らせてよ 恋すれば
誰もかれも 辛いこともあるよ素顔のままでいい







「2月26日には ささやかな二人の絆」とあるが、その日は桑田さんの誕生日であり、ハラボーとの結婚式が催されるはずだった。
が、「式場の都合で2月28日になった。」(原由子「娘心にブルースを」)



エコーをかけたボーカルで歌う、ささやくような甘いバラード。


サビをハモる原坊のコーラスが曲に奥行きをあたえる。


「ためらいは とうに止めて心踊らせてよ」と2人が歌うとき、そこには男から女へのアドバイスと女の胸の内なる願いとが同時に宿る。



ところで、冒頭の「Searchin' for my honey (彼女をじっと見つめ) 」というフレーズ、LP、CDいずれも「Seachin'」と表記されている。「Seachin'」という単語はなさそうだし、「Searchin'」でないと意味をなさないし、そう歌っているように聴こえる。
単なる誤記だろうか。
それとも桑田氏のこだわりだろうか。









1977年リリース、「素顔のままで」「ストレンジャー」「ムーヴィン・アウト」「イタリアンレストランで」など名曲のオンパレード。売上枚数1000万枚、ビリージョエルの代表作。