悲しみよこんにちは
「タイトルはジーン・セバーグ主演映画からいただいた」とライナーにあるが、原作はあまりにも有名なフランソワーズ・サガンの同名小説。この曲が書かれた経緯は桑田さんのライナーノーツに詳しい。歌詞は本作17曲 の中に、いわゆる失恋や傷心を描いた曲が無かったので、そのバランスを考えて書いたもの。"Hello, my loneliness and good-bye, my loveliness." という言葉から物語を膨らませていった、“自棄になりかけたけ ど、独りでいるのはやはり寂しい。孤独はカッコいいけど、俺には似合わないな”という物悲しいペーソス(套 愁)の歌。ありふれた夢やロマンにもう二度と惑わされないたとえ宇宙(そら)が堕ちて来ようとも取り乱したり泣くのは止めたよ人生は見た目通りの退屈で野暮なドラマ涙なんて気休めか、嘘"永遠(とわ)の愛"など絵空事だよHello, my loneliness and good-bye, my loveliness.愛しい人さえも去っていったよひとりぼっちで雨に打たれて頬をつたうモノは…もう恋など出来ない軽快なミドルテンポのバラード。例えば、「夕陽に別れを告げて」や「可愛いミーナ」のように肩の力を抜いて作った印象を受ける。この曲単体で聴くのももちろんアリだが、名曲、個性的な楽曲が並ぶ「MUSIC MAN」にあっては凡庸に響く。しかし、次曲「月光の聖者達」の前振り的位置付けとして聴くとその存在意義を理解することができる。「MUSIC MAN」は全17曲の大作。「悲しみよこんにちは」がなくても16曲、1枚のアルバムには十分な数だ。にもかかわらず、あえてこの軽めのナンバーを入れたのは「狂った女」と「月光の聖者達」の落差を埋める、かつ大団円の前のインターミッションとしての役割を背負わせるためだった。「悲しみよこんにちは」の正当な魅力はそこにある。MUSICMAN(通常盤)Amazon(アマゾン)Amazon(アマゾン)で詳細を見る楽天市場で詳細を見る${EVENT_LABEL_02_TEXT}エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)UNIQLO