和光市の18年度決算数値についてざっと分析 | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

和光市の18年度決算数値についてざっと分析

和光市のウェブサイトには18年度決算数値が早々に掲載されています。

是非市民各位にはチラッとでもご覧いただきたいものです。

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適時開示(タイムリーディスクローシャー)以前に、基本的な決算の発表はなるべく早くという大前提があります。そこは和光市役所はしっかり守っていて心強いです。なにしろ、10月になって、決算の議決が終わってもまだウェブサイトに開示していない役所は県内でもあるのです。

で、下記のようなところがポイントかと思います。


①普通会計歳出総額232億3730万円(17年度 204億311万円) プラス13.9%
 市は財政の膨張について総合体育館が主な要因としていますが、差し引いても現在の水準は身の丈を大きく超えた歳出であると思います。この傾向は私が議員になって以来、続いています(このため、私は過去、予算に反対したことがあります)。
ちなみに、人口が和光市より1万人程度少ない志木市では170億円弱で推移しています。また、和光市の5年前の歳出総額は182億9782万円です。いかに現在の歳出が膨張しているかがご理解いただけると思います。


*普通会計とは、全国の市町村の財政を比較できるよう総務省が定めた自治体の標準モデルであり、一般会計とは異なります。


②財政力指数1.210(17年度1.161)プラス0.049~高いほど良い
 標準財政規模(総務省の基準で算出する、各自治体の標準的な財政支出額のモデル。和光市は146億円)という、総務省がある程度コントロールできる数字が基準となった、市の収入力という位置づけができる指標です。数値の上昇は和光市の努力等が要因ではありません。総務省が全国的にこの数値が上昇するよう鉛筆をなめて調整していますので、そのシナリオどおりに上昇しているだけです(なお、増収の要因としてホンダの業績の好調さ、理研の固定資産の増加などがありますが、マンションの新規建設は鈍っており、固定資産総額の伸びは今後、鈍化すると思います)。


*指数は一旦単年度で計算しますが、実際には過去3年間の平均値が使用されています。各年度の数値は平成16年度1.167、平成17年度1.207、平成18年度1.255です。


③実質公債費比率7.7%(17年度9.0%)マイナス1.3% ~低いほど良い
 歳出のうち、借金の元利返済に費やした割合で、役所および一部の関連団体の数字が連結されています。和光市の財政力ならもう少し低いはずであり、投資的な支出(ハコモノなど)が過剰であることが分かります。


*もともとは普通会計ベースの公債費負担比率が使用されてきました。公債費負担比率は4.6%です。両者の差は4%程度が標準とされ、和光市の水準は標準の範囲内です。両者の差が大きい自治体、特に実質公債費比率が著しく高い自治体には、財政が元々悪い自治体が多いといわれています。


④経常収支比率67.8%(17年度74.8%)マイナス7.0%~低いほど良い
この辺りが和光市の適正な水準ですが、分母にあたる税収の好調が要因で油断できません。さらなるコストダウンが求められます。


*経常収支比率は人件費、扶助費、公債費等の経常的な支出の重さを示す指標で、自治体のエンゲル係数といわれています。この率が低いほど弾力性に富んでおり、 良いということになります。