今日は、ある民間企業でコーポレートカードを導入した結果
間接費のコスト削減や戦略的な経費管理、
そしてコンプライアンス(法令遵守)強化が実現したことについて
私の考えをシェア致します。
コーポレートカードは法人を会員とする
クレジットカードを指します。
ある民間企業では事務用品の購入費用や出張旅費精算、
そして携帯電話などの通信料の月毎の支払いに
毎月2千万円以上の事務経費がかかっていました。
事務経費の内容は、請求書の仕分け→費目の振り分け→
支払伝票の作成→捺印書類→経理部門承認、といった具合です。
また、費用を負担する部門毎に帳票を作成するため
会社全体で何の項目にどれだけの支出があったのか把握するのが
難しく、結果的に全体的な支出管理をすることが困難でした。
そこで、コーポレートカードを導入したところ
異なる請求元がそれぞれ1社のカード会社に請求書を送付し
一括で企業に請求することで大幅なコスト削減を実現したのです。
また、部署別など多角的な経費予算の管理や分析結果を
webで確認できることから、経費の透明性にも大きく貢献しました。
また、コーポレートカードを導入することで
新たな財産的価値の創出が可能
(=支出に応じたポイントにより支出の還元を、
カード会社との契約した計算率でキャッシュバックという形で得られる)
という点も特筆すべきことです。
コーポレートカードの運用については、
今年3月に総務省が報告した
「地方公共団体の財務制度に関する研究会」の中で、
地方公共団体にも活かせるのではないか、
という指針が公表されています。
しかし、地方公共団体の支出方法としてクレジットカードが法令で
位置づけられていないため、八千代市においては
クレジットカード決済は管財課で管理している車両の給油カード、
ETCカードで実施するにとどまっています。
還元されるポイントについても現状は法整備の遅れから
財政に貢献されていないのが現状です。
一方で、大阪府の堺市では実証実験として、
同市の事務の効率化と経費削減を目的に
財政局、理財局、子供青少年局、会計室の4部門を対象として、
事務用品のコーポレートカード決済による
「請求と支払いの一本化」の実効性を半年間検証しました。
このようなPOC(Proof Of Concept、概念実証)の必要性を
私もこれから常に提言していきます。
高齢化、人口減少社会に移行しつつある昨今、
戦略的な支出管理と経費抑制、
そして財産的価値の創出によっていかにして財源を生み出し
財政再建と住民サービスの向上を実現させるのか。
八千代市、そして全国の自治体に問われています。