最近は色々な市を訪問して有識者と小規模な勉強会に参加しています。


今日の勉強会のテーマは
「自治体における間接費削減」
です。

ある企業の携帯電話の運用をモデルに
どのような経費削減を行ったのか考察・議論しました。


簡単に概要をご説明すると、
この企業は4,000台近くの携帯電話を、上司の承認のもと、
業務上必要な従業員に配布していました。
通話料やデータ通信料はそれぞれの費用負担部門に振替られることから、
会社全体として年間に約9,000万円近い経費になっていたことは、
実は誰も知らなかったのです。
しかも、携帯電話会社はバラバラで
二つ折り式携帯電話、スマートフォン、フィーチャーフォンなどの機種も
各部門がそれぞれ決定していたので結果的に携帯電話会社も機種もバラバラでした。


ここで「携帯電話会社を1社に絞る」コスト削減案が出されました。
その結果、

・大量発注による法人特別割引の適用、ランニンググコストの大幅低減
・携帯電話使用者の管理業務(新規契約、機種変更、解約などの利用者管理)
を携帯電話会社に委託(=運用実態の見える化)
・携帯電話会社採用による新たなコスト削減
(固定電話の回線数の低減、ネットワーク回線費用の削減)

などにより、通信費全体としては30%近いコスト削減を実現できたのです。


携帯電話や公用車に限らず、
八千代市でこのような戦略的な間接費削減を実現させるためには

■ 間接業務の体系を整理して、部門別・費目別・業務別のコスト構造を明確にする
■ 業務の機能とコストを比較分析して最適な業務価値を設定する
■ 経費のコスト構造を分析してその要因から経費の重要性を量的・質的に評価する

・・・といった様々なコスト削減手法を使って、
改善余地の大きい費目から着手していくのが有効であると私は思います。



勉強会に参加して私が考えたコスト削減の流れは以下です。

1. 全体方針の作成(コスト構造を把握、改善目標の設定、コスト削減手法を選択)
2. 個別削減項目の検討(効果や実現にあたり制約要因の有無のチェック、リスク評価)
3. 実行案の作成
4. 実行のための市役所内の体制構築・仕組みづくり
5. 案の実行(見直し、モニタリング指標を決定)
6. 継続的な業務改善の推進(モニタリング指標を使って改善実行後の業務体系を継続)


無論、簡単には実現できない間接費改革ですが
大手企業の経営危機回避の要となった間接費削減について
もっと考察を深め、具体的に八千代市に提案できるようにしたいと考えています。





・・・ところで、画像は、昨日勉強会の会場近くの庭で見かけた野良猫さんです。
のんびりこちらを見ていました。
勝手に「ギルバート」と名付けてしまいました。
ギルバート君、また、お会いしましょう。