傾国の美女 驪姫17 重耳 ~竹取物語の謎をうら読みで解く#279 | 竹取物語の謎を「うら」読みで解く

竹取物語の謎を「うら」読みで解く

かぐや姫は、なぜ竹から生まれて月に帰るのか?
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かぐや姫は、5人の求婚者を不幸にした上に、帝までを虜にして後宮を乱しました。中国の史書にも、君主を夢中にさせて政務が疎かになり、国を傾ける「傾国の美女」が登場します。ここから、かぐや姫の罪は「傾国」だと考えられます。そして、傾国たちは、竹取物語の構造にも対応しているようです…。

傾国の一人、晋国の驪姫(リキ)を取り上げます。

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驪姫に讒言されて、晋の国外に亡命した公子・重耳

エピソードの多い人ですが、途中を省いて。

 

重耳は亡命生活十九年で帰国し、位につきました。

これが公です。

後世、春秋五覇(中国春秋時代に覇者となった五人)の一人に数えられました。

 

※ 小竹文夫・小竹武夫訳『史記3 世家上』を元に、井之亀が再話

 

 

…画像:Pixabay様よりロイヤリティーフリーの写真をお借りしました…

 

長く流離した重耳ですが、ハッピーエンドです。

従者から、また女性から慕われる人だったようですね。

 

重耳のおくり名は「文公」といいます。

竹取物語の土の章には、石作皇子がかぐや姫に贈った「」が出てきます。

そして、人の求婚者が登場していました。五覇に通じます。

 

やはり、竹取物語の土の章は、重耳を意識していると考えられます。

傾国の美女である驪姫を想起させたのは、重耳につながっていたことになります。 

 

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長いこと驪姫と重耳の話をご紹介してきましたが、今週で終わりです。

では、傾国の美女が出そろったところで、一度まとめを。


参考文献:
 片桐洋一、他(校注・訳)
 『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。

 野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。

 大野晋、他(編)『岩波古語辞典』岩波書店、1974年。

 戸川芳郎(監修)佐藤進・濱口富士雄(編者)『全訳 漢辞海 第三版』三省堂、2011年。

 小竹文夫・小竹武夫訳『史記3 世家上』ちくま学芸文庫、1995年。

 
イラスト:あおい

字*:リンクあり
                   
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