4人目の求婚者、大伴大納言は、龍の首の玉を取ろうと海に出ますが…。
どうしたのでしょうか、疾風が吹き、世界が暗くなって、船を吹きまわします。
波は船にかかり、雷は落ちかかるようにひらめきます。
大納言は、「どうなるのだ」と楫取(かじとり)におっしゃると、
「船に乗って回っている間にも、こんなにも苦しい目を見たことはない。
海の底に入るか、雷が落ちてくるか。幸いに神の助けがあっても、南の海に吹かれ着くのがいいところ。
情けない主の許にお仕えしたばかりに、ばからしい死に方をせにゃならん」と楫取は泣きます。
大納言は、「船に乗ったら、楫取が頼みなのに」と青反吐をついて(嘔吐して)おっしゃいます。
楫取、「雷さえも頭に落ちてきそうなのは、龍を殺そうと求めなさったためだ。はやても龍が吹かせている。早く、神にお祈りなされ」
大納言、「楫取の御神、お聞きください。分別もなく龍を殺そうと思いました。今より後は、毛の末一筋さえも動かしません」と、
泣く泣く大声をあげなさったこと、千度ばかりにもなったためでしょうか、ようやく雷が鳴り止みました。
三四日、風に吹かれて陸に寄りました。播磨の明石の浜でした。
大納言は南海の浜に吹き寄せられたと思って、伏していらっしゃいます。
国司に知らせ、松原に莚を敷いて大納言を降ろしてさしあげました。
大納言は、風病の重い人のようで、腹がとても膨れて、目には李(すもも)を二つつけたようでした。
これを見て、国司も笑ってしまいました。
ようよう、担がれて家にお入りになったのを、どうして聞きつけたのか、遣わしていた男たちが来て
「殿も、玉が取り難いことをお知りになり、勘当はされないだろうと思って参りました」と申します。
大納言は起きておおせになります。
「汝ら、よく、持ってこなかった。龍は雷の神の類である。捕えでもしたら、私は殺されるところであった。
かぐや姫という大盗人の奴が、人を殺そうとしたのだ。そなたたち、姫の家のあたりを通ってはならん」
これを聞いて、離縁なさったもとの奥方は、腹のよじれるほどお笑いになりました。
糸を葺かせた屋根は、鳶・烏の巣に、みなくわえられてなくなってしまいました。
世界の人は、「大伴大納言は龍の首の玉をとっておいでか」「いや、目に、李のような玉をつけていらっしゃった」といいました。
そこで、道理に合わないことを「あな、たへがた(ああ、李は李でも食べ難い、笑いをこらえるのは耐え難い)」といいはじめたのでした。
大伴大納言も、求婚に失敗しました。
この話は、五行 *では水に当たるでしょう。
水の徳目は智ですが、大伴大納言の言動は愚かさが強調されているように思えます。
人に馬鹿にされたり、笑われたりしています。和歌も詠んでいませんね。
感情面では、恐れ の話でした。五行では水に対応します。
これ以外の解釈は、アメンバー限定記事でどうぞ。(下記の予告をご参照ください。)☪
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3月22日(土)公開予定です。
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石上中納言です。(この解釈は、アメンバー記事にはしない予定です。)
木曜日(3月27日)更新予定。
参考文献:
片桐洋一、他(校注・訳)
『竹取物語 伊勢物語 大和物語 平中物語 日本古典文学全集8』小学館、1972年。
野口元大(校訂)『竹取物語 新潮日本古典集成 第26回』新潮社、1979年。
阪倉篤義 校訂『竹取物語』岩波文庫1970年。
イラスト:あおい
紫字*:リンクあり