今月の金子みすず詩(2021年3月) | たけのブログ

たけのブログ

日々のこと

「ゆびきり」
 

牧場の果(はて)にしずしずと、
赤いお日さま沈みます。

 

柵にもたれて影ふたつ、
ひとりは町の子、紅リボン、
ひとりは貧しい牧場の子。
 
「あしたきっと、みつけてね、
七つ葉のあるクローバーを。」

「そしたら、ぼくに持って来て、
そんなきれいな噴水を。」

「えええ、きっとよ、ゆびきりよ。」
ふたりは指をくみました。

牧場のはての草がくれ、
あかいお日さま、ひとりごと。

「草にかくれて、このままで、
あすは出ないでおきたいな。」
 
二人の微笑ましい情景が浮かびますね。
お日さまの温かい気持ちも。