そこには一面の海が拡がっていた。気付いたら吸い込まれてしまいそうなその海。
その海の中にはカタチなきモノ達がたくさん眠っていると言う。
ある日、少年がいつものように海に出掛けると、そこには3メートルほどの入り口があった。
あれ、何だろう?少年がその入り口に入るとその入り口は少年を歓迎するかのように静かに閉じて、穏やかな光に包まれた部屋が拡がっていた。
『母さん、父さん、姉ちゃん、シロ』少年がその部屋で静かに目を閉じると、いつの間にか外の世界にいた。
帰ろう。
そして少年はゆっくりと誰もいない家に帰って行く。
その瞳の端にはうっすらと涙の跡が残っていた(∋_∈)