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オートファジー研究から見える、食事・眠り・運動の整え方

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最近、こんなことを感じていませんか。

朝起きても疲れが抜けていない。鏡の前で肌のくすみやハリの低下が気になる。同じ運動量なのに体重が落ちにくい。眠りが浅く、夜中に何度も目が覚める。気力が湧かず、何をするにも腰が重い。

「もう年だから仕方ない」と片づけてしまいがちな、こうした小さな違和感。

それを何とかしたくて、話題のサプリメントを次々に試してこられた方も多いのではないでしょうか。NMN、レスベラトロール、コエンザイムQ10、NAD系の点滴。決して安くはない金額を払って、それでも体感がいまひとつ、という声を診療室でもよく耳にします。

実はその背景には、細胞の中で起きている「あるメンテナンス機能の低下」が関わっているかもしれません。そして、その機能を支えるのに、必ずしも高額なサプリメントが必要なわけではない、ということが、最新の研究から少しずつ見えてきています。

今回のテーマは、ノーベル賞級の研究分野として世界中で注目を集めている【オートファジー】。日本語にすると「細胞の自食作用」、もう少し噛み砕くと「細胞の中のゴミ出しと、リサイクル工場」です。

大阪大学・吉森教授らの研究を中心に、東洋医学と栄養の視点も交えながら、毎日の暮らしの中でどう活かしていけるかをお伝えします。

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【オートファジーとは ― 細胞の中にある「リサイクル工場」】

オートファジーとは、細胞内にある自前のリサイクルシステムです。古くなったタンパク質や壊れた細胞内の部品を膜でくるみ込み、分解してアミノ酸などの素材に戻し、再び利用できるようにします。

簡単に言えば、細胞の中を常に「新品」の状態に保つための、内側からのメンテナンス機能です。

このオートファジーには、大きく二つの役割があります。

一つは、細胞そのものを若々しく保つ働き。古くなった部品を入れ替え続けることで、細胞の機能を維持します。

もう一つは、細胞内に侵入したウイルスや細菌、さらにはアルツハイマー病の原因となる異常なタンパク質の塊などを狙い撃ちして除去する働きです。いわば、細胞の中の「免疫」のような役割も担っています。

ところが、このオートファジー、年齢とともに少しずつ働きが落ちていきます。

吉森教授の研究室は、加齢に伴って細胞内で増えていき、オートファジーにブレーキをかけてしまうタンパク質を発見しました。その名も【ルビコン】。

動物実験では、ルビコンを抑えることで寿命の延長や、加齢に伴う変化の改善が報告されています。もちろん、これをそのまま人間に当てはめることはできませんが、老化に伴う細胞機能の低下を考えるうえで、とても重要な研究だと考えられています。

つまり、老化のスピードは「変えられない宿命」と決まっているわけではなく、細胞内の掃除機能を整えることで、穏やかにしていける可能性が見えてきている、ということです。

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【東洋医学が古くから大切にしてきた「巡り」と「排出」の知恵】

ここで一度、東洋医学の視点を重ねてみたいと思います。

東洋医学には【養生】という考え方があり、二千年以上前から「巡らせること」「不要なものを溜めないこと」を健康の基本としてきました。

気血の巡りを良くし、湿や瘀血といった「滞り」を体外に追い出す。食べ過ぎず、寝不足を避け、心を穏やかに保つ。これらはすべて、現代風に言えば「細胞内外のリサイクルと排出機能を支える生活習慣」と重なります。

オートファジーは細胞内のミクロな出来事ですが、その鍵を握るのは、結局のところ毎日の食事・睡眠・運動・心の在り方という、東洋医学が大切にしてきた領域そのものです。

最先端の分子生物学と、二千年来の知恵が、同じところを指し示している。当院では、この「重なり」をとても大切に考えています。

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【よくある誤解 ― 高価なサプリや点滴が、土台の代わりにはなりません】

抗老化と聞くと、「高価なサプリメントが必要なのでは」「点滴に通わないといけないのでは」と思われる方も少なくありません。

確かに、NMNやレスベラトロール、コエンザイムQ10といった成分は研究も進み、補助的な役割を果たす場面もあります。ただし、ここで押さえておきたい大切なポイントがあります。

NMNは、NAD+というエネルギー代謝に関わる物質の材料として注目されています。ただし、オートファジーとは別の経路から体を支える仕組みであり、NMNを摂れば自動的に細胞の掃除が進む、という単純な話ではありません。

また、点滴や高用量のサプリメントについては、体質や目的、もともとの栄養状態によって考え方が変わってきます。だからこそ、まずは食事・睡眠・運動・ストレスケアという土台を整えることが大切です。

土台が崩れたままサプリだけを足しても、効果は十分に出てきません。逆に、土台が整っていれば、特別な高額サプリに頼らなくても、オートファジーは確実に育っていきます。

「課金する前に、できることがまだたくさんある」。これが、最新研究から見えてくる正直なところだと考えています。

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【今日から始められる、オートファジーを支えるセルフケア】

吉森教授らの研究室は、600種類以上の食品を調査し、オートファジーを強く活性化する成分を含む食品を絞り込んできました。ここでは、日本の食卓に取り入れやすいものを中心にご紹介します。

一つ目は、徳島県の伝統的な発酵茶【阿波晩茶】です。老いた線虫に阿波晩茶のエキスを与えたところ、若々しく動き回るようになったという実験結果が報告されています。発酵の過程で生まれる成分が、オートファジーのスイッチを押すと考えられています。

二つ目は、納豆に多く含まれる【スペルミジン】。日本人にとって最も身近な発酵食品の一つで、毎日一パックを習慣にするだけでも違いが期待できます。

三つ目は、鮭の【アスタキサンチン】、赤ワインの【レスベラトロール】、緑茶の【カテキン】、ナッツ類の【メラトニン】。どれも特別なものではなく、普段の買い物で揃うものばかりです。

食べ方の基本は【腹八分目】。これは、二千年前から東洋医学が説いてきたことと、最新研究が同じ方向を向いた結論でもあります。

逆に、脂っこい食事はルビコン(ブレーキ)を増やし、オートファジーを下げてしまうことが分かっています。揚げ物・スナック菓子・加工食品が続くと、それだけで細胞の掃除機能が落ちてしまうのです。

そしてもう一つ、寝る直前の食事は控えること。オートファジーは睡眠中に活性化するため、就寝前に食べてしまうと、その間ずっと消化にエネルギーが回り、肝心の細胞掃除が後回しになってしまいます。

睡眠は最低7時間。短時間睡眠が続くと、ルビコンが増え、オートファジーが落ちることが分かっています。

運動は、ジョギングや早歩きなどの有酸素運動が効果的です。激しいトレーニングは必要ありません。一日二十分の早歩きでも、十分にオートファジーは動き始めます。

そして見落としがちなのが【ストレス】です。精神的なストレスもオートファジーを低下させることが分かっています。深呼吸、湯船にゆっくり浸かる時間、自然の中を歩く時間。こうした「副交感神経が優位になる時間」を、一日のどこかに必ず差し込んであげてください。

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【セルフケアを続けても変化を感じない場合は】

ここまでお伝えした食事・睡眠・運動・ストレスケアを二週間ほど続けても、

朝の疲労感が抜けない
眠りの質が改善しない
肌の調子や体の重さが変わらない
気分の落ち込みや自律神経の乱れが続く

こうした状態が残るときは、一度専門家に体の状態を見てもらうことをおすすめします。

セルフケアが効きにくい背景には、姿勢の歪みによる内臓圧迫、自律神経の乱れ、栄養素の吸収不良、慢性的な軽い炎症など、自分では気づきにくい要因が隠れていることがあります。土台が整わないままセルフケアだけを続けても、効きにくいのは当然のことなのです。

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【当院の見立て方 ― 東洋医学・姿勢・栄養を一本につなげて】

今西健はり・灸院では、抗老化や慢性的な不調に関わるご相談に対して、次のような流れで体を見ていきます。

初診では、約90分かけて丁寧な問診を行います。お悩みの内容、生活リズム、食事内容、睡眠の質、運動習慣、過去のケガや手術歴、現在のサプリメントなど、体に関わる情報を一通りお聞きします。

その上で、東洋医学的な見立て(気血水のバランス、五臓の働き、巡りの状態)と、現代医学的な姿勢評価、栄養面からの考察を一本につなげて、その方に必要なアプローチをご提案します。

鍼灸で自律神経と巡りを整え、手技で姿勢と内臓の位置関係を整え、生活習慣のアドバイスで土台を底上げする。一つの不調を一つの方法で追いかけるのではなく、体全体の流れを取り戻していく ― そんなイメージです。

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【ビヨンド・エイジング ― 老化と戦うのではなく、健やかに年を重ねる】

最後に一つ、お伝えしたい考え方があります。

最先端の研究現場では今、【ビヨンド・エイジング】という言葉が静かに広がっています。

老化を敵として戦う「アンチエイジング」ではなく、病気を防ぎながら、健やかに年を重ねていくこと自体を楽しむ。年齢を否定せず、ただ穏やかに、機能を保ちながら歳月を味わっていく。そういう新しい、年齢との付き合い方です。

二十代の体に戻ることが目的ではありません。
今日の体を、今日いちばん良いコンディションで使えること。
それが、本当の意味での若さなのだと思います。

阿波晩茶を一杯、納豆を一パック、夜は早めの食事と七時間の睡眠、朝の早歩き二十分、湯船にゆっくり。

細胞の掃除は、特別なことをした日だけ起こるものではありません。
毎日の食事、眠り、歩くこと、休むこと。
その小さな積み重ねが、体の内側のメンテナンスを支えています。

体は、食べたものでつくられる。
心は、聞いた言葉でつくられる。
未来は、話した言葉でつくられる。

「年だから仕方ない」と諦める前に、体の内側から整える暮らし方を、今日から少しずつ始めてみませんか。

サプリの棚を眺める前に、まずは今日の夕食と、今夜の眠りから。当院は、その小さな一歩を一緒に育てていける場所でありたいと思っています。

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📍今西健はり・灸院/八尾市堤町2-30-59/☎ 072-998-7474/LINE ID:takeshityan/🌐 https://takeshityan-bit.github.io/imanishi-harikyu/

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鏡を見るたびに、肌のくすみや小じわ、フェイスラインのたるみが少し気になる。
朝起きても疲れが抜けない。
健康診断で、血糖値や血管まわりの数値がじわっと気になりはじめた。
でも、甘いものはそんなに食べていないつもり。
そんな方に知っていただきたいのが、「糖化(とうか)」という、ゆっくり進む体の変化です。
糖化は、特別な病気を抱えている方だけの問題ではありません。誰の体の中でも、毎日の食事や睡眠、ストレスのかかり方によって、少しずつ進んでいきます。
そして大切なのは、糖化の進みやすさは、「甘いものを我慢するかどうか」だけでは決まらないということです。
今回は、八尾市堤町の今西健はり・灸院から、鍼灸・東洋医学・カイロプラクティック・分子栄養学・運動指導の視点をまじえて、糖化のしくみと、今日から続けられる食べ方・眠り方の工夫をお伝えします。
糖化とは、体の中で起こる“じわじわ焦げ”のような反応です
糖化とは、体の中で「糖」と「タンパク質」などが結びついて、変性してしまう反応のことです。
料理で言えば、ホットケーキの表面がこんがり茶色く焼ける。玉ねぎを炒めると香ばしく色づく。コンソメスープが煮詰まって茶色くなる。これらは「メイラード反応」と呼ばれ、食べ物の世界では「おいしさ」につながる反応でもあります。
驚かれるかもしれませんが、これと似た反応が、私たちの体温(36〜37度)の中でも、ゆっくり、しかし確実に進んでいます。フライパンのように一気に焦げるわけではありません。けれども、毎日の食事、血糖値の上がり方、睡眠不足、ストレスなどが重なることで、体の中ではゆっくりと糖化が進んでいきます。
糖化が進むとできるのが、AGEs(最終糖化産物)と呼ばれる物質です。AGEsは一度できると分解されにくく、年月をかけて少しずつ蓄積していくのが特徴です。
肌の老化だけでは終わらない|糖化は全身で起こります
糖化というと、美容の話として語られることが多いです。
たしかに、肌のコラーゲンが糖化すると、弾力が落ち、シワ、たるみ、いわゆる黄ぐすみといった変化につながると言われます。
けれども、糖化の影響はそれだけではありません。
血管のタンパク質が糖化すれば、血管のしなやかさが失われやすくなります。
腎臓で糖化が進めば、老廃物をろ過する働きに負担がかかります。
骨や関節のコラーゲンが糖化すれば、骨の質や関節の動きにも影響することがあります。
脳でも、AGEsの蓄積と認知機能の変化との関連が研究で指摘されています。
「人は血管から老いる」と言われるように、血管は全身に栄養と酸素を届ける大切な道です。そこに糖化や酸化の負担がかかると、単なる美容の問題ではなく、全身の老化や生活習慣病とも関わってきます。
東洋医学では、「血」がきれいに巡り、滞らないことをとても大切にします。糖化によって血管がしなやかさを失い、巡りが悪くなる状態は、東洋医学で言う「瘀血(おけつ)」の考え方にも近い部分があります。肩こりがなかなか抜けない、目の下のクマが消えにくい、生理にまつわる不調が増えてきた。そんな小さなサインも、巡りの停滞と関わっていることがあります。
よくある誤解|「甘いものを我慢すれば大丈夫」ではありません
糖化と聞くと、「じゃあ甘いものをやめればいいのですね」と思われる方が多いです。
けれども、それだけでは足りません。
糖化を進める一番の要因は、糖そのものよりも、血糖値の急上昇だからです。
たとえば、
朝食を抜く。
昼に菓子パンや麺類だけで済ませる。
夜にまとめてどか食いする。
ストレスで早食いになる。
睡眠不足のまま、甘いものや炭水化物を欲しくなる。
こうした状態では、血糖値が一気に跳ね上がりやすくなります。
血糖値が急上昇すると、体はそれを下げようとしてインスリンを大量に分泌します。これが繰り返されると、血糖コントロールに負担がかかり、糖化も進みやすくなります。
最近の研究で注目されているのが、「アルデヒド・スパーク」と呼ばれる現象です。
食後に血糖値が急上昇するとき、同時に「アルデヒド」と呼ばれる反応性の高い物質が血液中に増えると報告されています。アルデヒドは、糖そのものよりもずっと速くAGEsをつくり出すと言われており、血管の内側の細胞にも負担をかけることが指摘されています。
つまり、糖化対策で大事なのは、
甘いものを一生禁止することではなく、
血糖値の山をいかになだらかにするか。
ここが、現実的で続けやすいポイントになります。
新生活や忙しい時期は、糖化が進みやすい
春から初夏にかけては、環境の変化が多い時期です。
仕事の異動、新しい人間関係、歓迎会、生活リズムの乱れ、睡眠不足、朝食抜き、夜遅い食事。
こうした変化が重なると、体は知らないうちに緊張状態になります。
ストレスが強いと交感神経が優位になり、血糖値は上がりやすく、下がりにくくなります。
もともと人間の体は、危険を感じたときにすぐ動けるよう、血液中にエネルギーを出す仕組みを持っています。けれども、現代のストレスは、走って逃げるようなものではありません。頭は緊張しているのに、体はあまり動いていない。血糖値は上がるのに、筋肉で使い切れない。この状態が続くと、糖化の負担につながりやすくなります。
睡眠も大切です。睡眠時間や眠りの質と、体内のAGEs量との関連も研究が進んでおり、6時間未満の睡眠が続く方では、AGEsが増えやすいという報告もあります。「忙しくて寝ていられない」という方ほど、糖化と老化が静かに進んでいる可能性があります。
セルフケア|難しくない、食べ方と眠り方の知恵
糖化を100パーセント止めることはできません。
けれども、毎日の小さな工夫で、そのスピードはやさしくゆるめていくことができます。
ひとつ目は、食事の最初に「うま味のあるスープ」から始めること
アミノ酸、とくにうま味成分には、有害なアルデヒドを捕まえてくれる働きがあると言われています。これを「アルデヒド・トラップ」と呼ぶ研究者もいます。
ですから、食事の最初に、お味噌汁、出汁の効いたお吸い物、肉や魚のスープなどをゆっくり一杯いただくのは、とても理にかなった食べ方です。
和食の「先付け、吸い物」から始まる流れも、フレンチのコース料理がスープから始まる流れも、実はこの考え方と通じています。
味噌汁の具は、
豆腐、わかめ、きのこ、油揚げ、卵、豚肉、野菜、魚のつみれ。
このようなものを足せば、ただの汁物ではなく、血糖値を急に上げにくい「食事の土台」になります。
完璧な自炊をしなくても大丈夫です。インスタント味噌汁でも、具を少し足せば十分です。冷凍野菜、乾燥わかめ、卵、豆腐などを使えば、手間をかけずに整えられます。「丁寧な暮らし」ができなくても、糖化対策はできます。
ふたつ目は、糖化を遅らせる「黄金トリオ」を意識すること
意識したいのは、
タンパク質。
脂質。
食物繊維。
この3つです。
タンパク質は、筋肉、皮膚、血管、内臓、ホルモン、酵素の材料になります。
脂質は、細胞膜やホルモンの材料になります。
食物繊維は、糖の吸収をゆるやかにし、腸内環境にも関わります。
この3つを先に体に入れてから、ご飯やパン、麺などの糖質をいただく。それだけでも、食後の血糖値の上がり方は変わりやすくなります。実際、食事の順番(ミールシークエンス)が食後血糖やインスリンの反応に影響することは、複数の研究でも示されています。
揚げ物の横についてくるキャベツの千切りも、ただの飾りではありません。食物繊維を一緒に摂ることで、糖や脂の吸収が急になりすぎるのを防ぎやすくなります。
外食でも、
定食を選ぶ。
汁物をつける。
サラダを先に食べる。
単品の麺だけで終わらせない。
丼だけでなく、味噌汁や小鉢を足す。
こうした小さな工夫が、血糖値の急上昇を防ぐ助けになります。
3つ目は、朝食を完全に抜かないこと
忙しい方ほど、朝はコーヒーだけ、という方が多いです。
けれども、空腹時間が長くなると、次の食事での血糖値が一気に跳ね上がりやすくなります。
朝から立派な食事を作る必要はありません。
ゆで卵、豆腐、納豆、ヨーグルト、プロテイン、ナッツ、具だくさんスープ。
このようなもので十分です。「朝食をちゃんと作る」のではなく、「血糖値が荒れないように、少しだけ体に入れておく」。このくらいの感覚で始める方が、続きやすいです。
4つ目は、夜のどか食いを避けること
夜は活動量が少なくなり、食べた糖を使い切りにくい時間帯でもあります。そこに大量の糖質やアルコールが入ると、体には大きな負担になります。
帰宅後にどっと食べるよりも、夕方に軽くおにぎりやスープを挟んでおき、夜は控えめに、というリズムが体にやさしいです。
5つ目は、お酒の飲み方を整えること
お酒を完全にやめる必要はありません。ただ、飲む日は、
最初にタンパク質や食物繊維を入れておく。
空腹のままいきなり飲まない。
締めの糖質を習慣にしない。
飲んだ翌朝の朝食は抜かない。
このあたりを意識するだけでも、体への負担はずいぶん変わります。
6つ目は、睡眠を6時間以上、できれば7時間ほど確保すること
寝る前のスマホ時間を10分減らすだけでも、入眠の質はちがってきます。眠っている間は、体の修復と回復が進む大切な時間です。糖化対策は、起きている時間の食事だけでは完結しません。
鍼灸師として見る「糖化しやすい体」
東洋医学的に見ると、糖化が進みやすい生活は、体の巡りや回復力を落としやすい生活とも重なります。
ストレスが強い。
眠りが浅い。
胃腸が疲れている。
甘いものがやめられない。
朝は食べられないのに、夜に食欲が止まらない。
肩こりや腰痛が慢性化している。
疲れが抜けない。
こうした方は、単に「食事だけ」の問題ではないことが多いです。
自律神経が乱れている。胃腸の働きが落ちている。筋肉量が少ない。睡眠で回復できていない。ストレスで常に体が緊張している。このような土台があると、血糖値も乱れやすくなります。
ですから当院では、食事だけを切り取って指導するのではなく、体全体の状態を見ながら考えるようにしています。肩こり、腰痛、自律神経の乱れ、睡眠、胃腸の状態、日々の疲労感。それらは別々の問題に見えて、実はひとつの土台でつながっていることがあります。
こんなときは、無理せずご相談を
糖化は、目に見えにくく、ゆっくり進む変化です。だからこそ、ご自身の体からの小さなサインを見逃さないことが大切です。
セルフケアを2週間ほど続けてみても、
肌のくすみや乾燥が気になる。
肩こり、腰の重だるさ、目の疲れが抜けない。
朝の寝起きがつらい。
冷えやむくみが続く。
こういった不調が変わらない、もしくは悪化していると感じるときは、体全体のバランスを一度見直してみることも大切です。
血糖値、血圧、コレステロールの数値を健康診断で繰り返し指摘されている方や、ご家族に動脈硬化、糖尿病、腎臓の不調がある方で、ご自身の体調にも不安があるときは、まずは内科やかかりつけ医での検査をご検討ください。そのうえで、鍼灸や整体での体のメンテナンスを組み合わせていただくと、より無理のない形でからだを整えていけます。
今西健はり・灸院での見立て方
当院では、初診のときに、おひとりおひとりの体の状態をていねいにうかがう時間を大切にしています。初診のお時間は、およそ90分です。
問診では、お悩みの症状そのものだけでなく、
普段の食事のリズム、睡眠の状態、ストレスの感じ方。
冷え、のぼせ、むくみといった体質に関する様子。
姿勢、呼吸の深さ、関節の動き、筋肉のこわばり。
東洋医学的な視点での体のバランス。
など、複数の角度から体の状態を見立てていきます。
そのうえで、鍼灸、カイロプラクティック、三軸修正法、運動指導などを組み合わせて、その方の体に必要なアプローチを少しずつご提案していきます。栄養や生活習慣のお話も、お一人ひとりの暮らしぶりに合わせて、無理のない範囲でお伝えしています。
最後に|糖化は「年齢のせい」ではなく、「習慣の積み重ね」
糖化は、避けられない老化現象だとよく言われます。
たしかに、生きている以上、ゼロにすることはできません。
けれども、
うま味のあるスープから食事をはじめる。
タンパク質、脂質、食物繊維をセットで摂る。
朝食を完全に抜かない。
夜のどか食いを避ける。
睡眠を6時間以上、できれば7時間ほど確保する。
飲み会の日ほど、最初の一品を意識する。
食後に少し歩く。
こうした小さな積み重ねで、糖化のスピードはやさしくゆるめていくことができます。
完璧な健康生活ではなく、現実的に続けられる工夫を重ねること。
「甘いもの禁止」「白米禁止」と自分を責めるのではなく、体への入り方をやさしく整えていくこと。
それが、糖化をゆるやかにし、体の老化スピードを落とす第一歩になります。
「年齢のせいかな」とあきらめてしまう前に、できることから、ひとつずつ。
あなたの体は、これからの工夫にちゃんと応えてくれます。
肌の変化、疲れの抜けにくさ、体の重だるさが続くときは、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの今の体に合った養生のヒントを、いっしょに考えていけたらと思います。
📍今西健はり・灸院/八尾市堤町2-30-59/☎ 072-998-7474/LINE ID:takeshityan/🌐 https://takeshityan-bit.github.io/imanishi-harikyu/


健康診断で血糖値の数値が少し気になりはじめた、ご家族に糖尿病の方がいて将来が心配、最近食後に強い眠気を感じるようになった——。そんなとき、多くの方がまず「甘いものをやめなくては」と考えます。けれども、いざ我慢を始めても続かなかったり、ストレスでかえって食欲が乱れたりして、思うように整わないという声をよくいただきます。

実は血糖値というのは、口に入れる甘さの量だけで決まるものではありません。体の中でどのように糖が処理され、どのように運ばれ、どのように使われていくか。そのすべてに、内臓・自律神経・睡眠・筋肉・ストレスといった、いくつもの要素が関わっています。今日は「甘いものをやめる前に」整えておきたい、糖を扱える体の土台についてやさしくお話ししていきます。

■ 血糖値はなぜ上がりやすくなるのか

血糖値が上がる仕組みを少しだけ整理します。食事から取り込まれた糖は、すい臓から出るインスリンというホルモンの働きで、全身の細胞に運ばれてエネルギーとして使われていきます。ところが、

・筋肉量が少なく、糖の受け皿が小さい ・おなかの冷えを感じやすく、消化の働きが落ちている ・自律神経が乱れてホルモン分泌が不安定になっている ・睡眠が浅く、ストレスホルモンが下がりきらない ・食事のリズムが乱れていて、食事と食事の間隔がバラバラ

こうした条件が重なると、同じ量の糖を食べても、血糖値の上がり方や下がり方には大きな違いが出てきます。つまり「甘いもの=悪」と単純化して考えるよりも、糖をきちんと処理できる体に整えていくほうが、結果的に血糖値は落ち着きやすくなる、という見方ができます。

東洋医学では、消化と吸収を司る働きを「脾」のはたらきとしてとらえ、糖代謝に関わる感情のゆらぎや自律神経のリズムは「肝」の働きと結びつけて考えます。脾が弱ると甘いものへの欲求が強くなり、肝が高ぶると過食やどか食いが出やすくなる、と昔から言われてきました。現代の言葉に置き換えると、消化機能の低下と、ストレスによる食欲コントロールの乱れ、ということになります。

■ 「甘いものを断てば下がる」とは限らない、よくある誤解

血糖値が気になる方によくある誤解を、いくつか整理しておきます。

一つ目は、甘いものさえ我慢すれば数値は安定する、という考え方です。たしかに過剰な糖の摂取は影響しますが、糖質を極端に減らしても、ストレスや睡眠不足が続いている状態では数値は思うように落ち着きません。むしろ我慢のストレスが、数値を押し上げる方向に働いてしまうこともあります。

二つ目は、運動さえしていれば大丈夫、という考え方です。運動はとても大切ですが、おなかが冷えて消化の働きが落ちたままでは、せっかく動いてもエネルギーがうまく回りません。

三つ目は、痩せている人は安心、という考え方です。体型がスリムでも、筋肉量が少なく糖の受け皿が小さい方は意外と多くいらっしゃいます。「隠れ高血糖」と呼ばれることもあり、見た目だけでは判断できないところがあります。

ですから、まず取り組んでいただきたいのは、糖を引き算することよりも、糖を扱える体に整えていくことです。これが、甘いものをやめる前に見直しておきたい「土台」のお話です。

■ 今日からできるセルフケア

血糖値を意識し始めたばかりの方に、まず試していただきたいセルフケアをいくつかご紹介します。どれも特別な道具はいりません。

食事の順番を整える 野菜や海藻、きのこ、たんぱく質(魚・肉・卵・大豆)を先に食べ、ご飯やパン、麺類などの主食は後半に回します。同じ食事内容でも、食後の血糖値の上がり方がゆるやかになりやすいことが知られています。

たんぱく質を毎食少し意識する 血糖値が気になると、どうしても糖質を減らすことばかりに意識が向きます。けれども、魚・肉・卵・大豆製品などのたんぱく質が不足していると、筋肉の材料が足りず、糖を受け止める土台も弱くなりやすくなります。毎食、手のひら一枚分くらいのたんぱく質を意識するだけでも、食後の満足感が変わってきます。糖を減らすのではなく、たんぱく質と食物繊維を足す、という発想で食卓を見直してみてください。

おなかを冷やさない 冷たい飲み物のとりすぎや、薄着でのおなかの冷えは、消化の働きを落として代謝を鈍らせやすくなります。常温以上の飲み物を選ぶ、腹巻きを使う、湯船にゆっくり浸かる。当たり前に思えるこうした習慣が、糖を扱える体の土台になります。

食後15分の軽い歩き 食後すぐに座り続けると、血糖値の高い時間が長く続きやすくなります。お皿を洗いがてら家のなかを歩き回るだけでも違ってきます。本格的な運動でなくて構いません。「動きながら片づける」くらいの感覚で十分です。

夜の食事を軽くする 夜遅い時間の食事は、寝ている間も血糖値を高い状態に保ちやすくします。可能な範囲で、夕食はやや軽めに、寝る2〜3時間前までに済ませることを意識してみてください。

まずは6〜7時間を目安に睡眠時間を確保する 睡眠不足は、翌日の血糖値の上がり方を強めることが分かっています。必要な睡眠時間には個人差がありますが、まずは6〜7時間を目安に、自分にとって心地よい長さを探してみてください。「眠ること」はそれだけで立派な血糖ケアです。難しい日は、せめて寝る前のスマホ時間を短くするだけでも違います。

甘いものとのつき合い方を変える 完全にやめる必要はありません。空腹時に単独で食べるのではなく、食後のお楽しみとして少量味わうほうが、血糖値の波がゆるやかになりやすくなります。我慢ではなく、付き合い方を変える、という発想がおすすめです。

これらは一度にすべてやろうとせず、できそうな一つから始めるのがコツです。続くことのほうが、完璧さよりずっと大切です。

■ それでも変化が乏しいときは

二週間ほど生活の見直しを続けても、食後の強い眠気がとれない、だるさが抜けない、甘いものへの欲求が落ち着かない、健康診断の数値が気になり続ける——そんなときは、糖を扱える体の土台に何らかの偏りが残っていることが多くあります。

当院では、血糖値そのものを直接下げるための施術ではなく、糖代謝に関わる内臓の働き、自律神経のバランス、姿勢や呼吸、筋肉の状態を、東洋医学・カイロプラクティック・分子栄養学の視点から総合的に見立てていきます。初診ではおよそ90分の時間をいただき、お体の状態と生活背景を丁寧にうかがったうえで、お一人おひとりに合わせた方針をお伝えするようにしています。

医療機関での検査や治療が必要な段階と、生活と体の土台を整えていけば落ち着いていく段階とでは、対応の入り口が変わります。健康診断の結果用紙やお薬手帳がありましたら、お持ちいただけるとより丁寧にお話ができます。

■ 最後に

血糖値が気になりはじめた時期は、生活を見直すよいきっかけでもあります。甘いものを我慢することばかりに目を向けると、心も食事も窮屈になりがちです。けれども、糖を扱える体を整える、という発想に切り替えると、食事も運動も睡眠もぜんぶがつながった「自分を大切にする時間」になっていきます。

無理なく、けれどしっかりと。気になることがありましたら、いつでもご相談ください。

📍今西健はり・灸院 八尾市堤町2-30-59 ☎ 072-998-7474 LINE ID:takeshityan 🌐 https://takeshityan-bit.github.io/imanishi-harikyu/