数年前、普段から通ってくださっている患者さんから「自転車で転んでから腕が上がらない」とご連絡がありました。
転倒後に肩が動かせない、強い痛みがある場合、まず優先すべきは「骨折や脱臼などの重大なケガがないか」を確認することです。そこで私は、最初に「病院で検査を受けて、骨折がないことが確認できたら施術で対応します」とお伝えしました。
検査の結果、骨折はなし。安心してご来院いただき、状態を確認しながら施術を行いました。施術後は、肩の動きがある程度戻り、痛みもかなり落ち着いた様子でした。
患者さんが驚かれた「肩だけじゃない」施術
そのとき患者さんが一番驚かれていたのは、「肩を痛めたのだから肩だけを治療すると思っていた」という点でした。
実際には、肩の痛みが出ているときほど、体は無意識にかばう動きをします。すると、肩だけでなく全身のバランスが崩れやすくなります。
例えば、
・肩甲骨や背中が固まる
・首や胸、肋骨の動きが落ちる
・骨盤や体重の乗せ方が崩れる
といった変化が起こり、結果として「肩が動きにくい」「痛みが長引く」ことにつながります。肩を動かす仕組みは肩関節だけで完結していないため、痛いところだけに集中すると、回復の妨げになることもあります。
「木を見て森を見ず」になりやすい場面だからこそ
痛みが強いと、患者さんも施術者も、どうしてもその部位に意識が引っ張られます。これは自然なことです。
ただ、この出来事は改めて「木を見て森を見ず」にならず、全体のバランスを整える視点が大切だと教えてくれました。症状が出ている部位は“結果として現れている場所”で、回復を後押しするには、身体全体のつながりを整えることが欠かせません。
転倒後の肩の痛みで、まず大事なこと
転倒後に腕が上がらない場合は、次の流れがおすすめです。
1. まず病院で検査(骨折・脱臼などの除外)
2. 骨に問題がなければ、早めに「かばい癖」を固めないケアを
3. 無理に動かさず、状態に合わせて回復を促す
しびれが強い、夜も眠れないほど痛い、見た目の変形、急な腫れや熱感が強い場合は、特に早めの受診が安心です。
自分でできるケアも、限界があります
軽いセルフケアで変化が出るケースもありますが、2週間続けても痛みや可動域に変化がなければ、一度ご相談ください。かばい動作の固定化や、回復の遅れを防ぐほうが結果的に早道になることが多いです。
当院では初回は約90分かけて、痛みの場所だけでなく「なぜそこに負担が集まったのか」まで丁寧に問診・評価し、必要な調整を組み立てていきます。
📍今西健はり・灸院/八尾市堤町2-30-59/☎ 072-998-7474/LINEID takeshityan
このコラムが、「転倒後の痛みで不安な方」「病院の検査後に、どうケアすればいいか迷っている方」の目安になれば嬉しいです。