コロナ感染症第5波もようやく落ち着きを見せてきました。しかし、海外の様子を見るに決して油断するわけには行きません。ワクチン接種を含め、予防には万全を期したいものです。

さて、不育症の専門家から見てコロナ感染に関して気になることがあります。それは、不育症がコロナ後遺症のひとつになり得るのではないかという懸念です。

コロナに感染すると血栓症になりやすくなるという記事を読んだことがある人も多いと思います。血栓症とは血管の中で血が固まってしまう病気で、肺や心臓、脳などの重要臓器に血栓ができると最悪の場合命を落とすこともある恐ろしい病気です。血栓症原因のひとつに、コロナウィルス感染による抗リン脂質抗体症候群がありますが、抗リン脂質抗体症候群は流産を繰り返す不育症の原因としても重要な疾患です。

コロナに感染して幸い重症化しなかったとしても、抗リン脂質抗体がからだの中に残りそれが原因で流産を起こす可能性があり得るのです。

コロナワクチン接種が始まった頃、ワクチンの副作用で流産が起こるという説が広まりましたが、その後海外での大規模な調査結果もその可能性を否定しています。むしろ、コロナ感染で抗リン脂質抗体が出来てしまうと流産を起こす懸念の方が現実的のような気がします。

一日でも早くコロナ感染の脅威がなくなることを願ってやみません。

 

 

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