舟プロジェクト DIARY -1591ページ目

今までの経緯と初心表明

今、木造の伝馬船をつくる船大工の技術が消えようとしている・・・

これを後世に残そう!

と、HIP (Home Island Project)で誰かが言い出した。


まずは情報収集。


■瀬戸内海歴史民族資料館


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2010/2/24 最初に、瀬戸内海歴史民族資料館を訪ねた。ここは瀬戸内海の生活や文化の歴史にまつわる資料を収集・整理・研究・展示公開しているトコロ。

ちなみに建物は山本忠司さんという建築家が設計していて僕、かなり好き!・・・ずっと。

ここでは、さまざまな木造船、また造船所を再現したコーナー、模型を用いた造船工程を見ることができた。

http://www.pref.kagawa.jp/setorekishi/


■小豊島の船大工さん訪問


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小豊島は豊島と小豆島の間にある、外周4.3km、人口13人の小さな島。ここには船大工のおじいちゃんが住んでいる。今はもうつくっていないが・・・

そもそもの船大工の技術が消えようとしていることを知るきっかけになったのがココ。

2010/3/13 HIPの有志メンバーで訪ねた。

船をつくるための道具や舟作りにかかせない舟釘、またその打込み方、舟のお守り「フナダマ」等々を見せてくれて、色んな話を聞かせてくれた。

そのときは、このおじいちゃん大工さんとみんなで伝馬船作れないかなぁなんて内心考えていた。

が、もう船は作らないよ、とのこと。


■ヒミング訪問


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富山県氷見市に「アートNPOヒミング」という団体がある。

HIPのように地元愛のあるメンバーで色々なプロジェクトをおこなっている。

そのなかの、「天馬tenmatch PROJECT」は、実際に船大工さんが伝馬船をつくり、色々なイベントをおこなっている。2010/4/11 コレを訪ねて伝馬船に乗ってお花見をするイベントに参加した。

http://www.himming.jp/


■Douglas Brooks(ダグラス ブルックス)

木造和船に魅せられている船大工。

日本各地で船大工に弟子入りをしてまわり、作った船は博物館等にも納めている。

現在はアメリカに帰っているが、また日本で木造和船をつくりたいとウズウズしているらしい。

スカイプで本人と話もした。条件が整えば行きたい、と。

http://www.douglasbrooksboatbuilding.com/

http://thesabaniproject.blogspot.com/


■その他

高知県の中土佐町、宿毛市でも実際に伝馬船をつくりイベントで利用していることがわかった。
「全国の個人船大工存在確認調査」なるモノがあり、それによると香川県は2名が掲載されていた。




結果、現在はFRP製の船がほとんどで木造伝馬船をつくる船大工は全国的に本当に少なくなっている。

製造工程やメンテナンスを考えると、断然そうなる・・・


「木造の伝馬船をつくる船大工の技術を後世に残す」

それは、一艇だけつくればいいのか、継続するのか。

つくれる人を訪ねて手伝う体験程度でいいのか。

つくれる人に来てもらってつくるのか。


色々考えたけど、自分で作るコトにした。自分でといっても大工の友人と。

かねてから探しまわっていた造船所になる場所も見つけ、話もまとまりそうだ。

高松の庵治にある漁師小屋。ヘッダーの写真の建物。

海が目の前の小屋で、舟をアゲサゲするスロープもすぐ側にあり・・・
ちなみに「世界の中心で愛を叫ぶ」のロケ地群のど真ん中。

まずは作業がしやすいように簡単な改装をする。
そして、手ナラシにひとまず木造カヌーを作ってみようと思うそれから伝馬船!

意外に、その小屋のすぐ近所にも、伝馬船を作っていた船大工のおじいちゃんがいるらしく・・・
相談にのってもらえたらなぁとか思いつつ。

どんなペースで進められるか、はたまたどうなることやら・・・
みなさん、温かく見守ってください。


また、伝馬船に限らず舟のコト、海のコト、その他いろいろと情報発信ができたらなあと思っています。