おそらく、阪神タイガースが優勝した
1985年頃だったと思うのですが、
『週刊トラトラタイガース』の取材で
阪神タイガースの皆さんが
明日からのキャンプスタートに向けて
高知県の手結山のホテルに
前日入りするシーンの撮影がありました。
確か二軍の皆さんは東洋館という
旅館だったと思います。
  
宿舎ひとつにしても、明らかに
一軍と二軍は違うのだなぁという程、
大変良くわかる差がつけられていました。

リポーターの私は、
手結山のホテルの入り口付近に立ち、
左手にマイクを持ち、
「つい先程、明日からのキャンプスタートに向けて、阪神タイガースの皆さんがホテルに到着しました!」と言って、ホテルの5階あたりに向かって右手を広げ、
カメラがそこにズームインしていくと…

ジャラジャラジャラという妙な音が…

当時はマスコミの撮影も比較的自由で、
次のカットを撮りにホテルの中へ入っていくと、

その5階の部屋でベテラン選手たちが
早速アンダーシャツに着替えて、
麻雀を始めていました。

私は「す、すごい!さっきホテルに到着したばかりなのに、もう麻雀を始めてる!?
なんとバイタリティー溢れる方々なのだろう!!」
と感動しました。

しかも当時、伊丹から高知へは、
阪急バスの方が大勢乗れるんちゃうか?
と思うような、YS11という
プロペラ機しかありませんでした。
大きな図体の皆さんが、
小さな機体の飛行機に乗ってやってきて、
さぞかしお疲れだろうな?と思いきや、
まさかの、着いて数分での麻雀スタートでした。

さすがに、その麻雀の模様は撮影せず、
他の選手のインタビューや部屋などを
撮影させていただいたのですが、
そこはかとなく、
麻雀の牌を切る音、混ぜる音が入ってきて
音声さんも往生しておりました。

この阪神タイガースキャンプ取材で
高知県の安芸市には約35年、
毎年のようにお世話になっております。

若いうちは、
ビジネスホテル弁長のツインに相部屋で宿泊させられ、球場ではカメラマンの三脚を
撮影ポイント移動の時に担がされておりました。
徐々に出世して、
ホテルタマイの部屋に一人で泊まることが許されるようになり「これで俺も一軍入りだ」と思い、
土佐ロイヤルの広いツインの部屋に一人で泊まった時は、「ついに俺も頂点を極めたな。メジャー入りだ。」と感涙にむせんだものでした。

子供の頃から柑橘類と言えば、
みかんは、もちろん大好きで、
スッパイ夏みかんに砂糖をかけたり、
ネーブルをたまに食べたり、
グレープフルーツを半分に切って、砂糖を真ん中に入れて食べる、少しブランデーなどを入れてみる、
という王侯貴族のような食べ方までも
大学卒業以前の自宅で与えられて生きてきました。

就職して、私の人生に大きく影響を与えたのは、
この阪神タイガースキャンプ取材で学んだ
高知県安芸市にある『ポンカン』と『文旦』です。

この二つの柑橘類は恐ろしく美味しいです。
こんな食い物、ここに行くまで知りませんでした。
初めて食べた時は美味しさに驚きました!
この年齢になるまで、こんな美味しい柑橘類を知らなかったなんて、どういうことなんだ??
日本の流通制度はどうなっているんだ??
これは!この美味しさを知らせてやらないといけない!とポンカンと文旦を実家に送ったところ、
両親から
「頼むから毎年行って送ってくれ!!
長年育ててやった恩というものがあるだろ!!」
と、かなり強い口調で哀願する電話が、
すぐにかかってきました。
おそらく、私と同じように美味しさに感動したのだと思います。

『ポンカン』は、
テニスボールぐらいの大きさでオレンジ色、
異常に甘く美味しく、
『文旦』は、ソフトボールぐらいに大きく黄色で、
酸っぱさ、苦味の無いサッパリした味が特徴です。
しかも、キャンプの時期に丁度食べられるので、
安芸のスーパーでは自宅などに送るマスコミ関係者が
異常に多かったです。

その『文旦』が今年も自宅に到着しました。
ダンボールの箱を開けると、
めちゃめちゃ良い香りがします。
高知県安芸市で太陽がキラキラと輝く、
あの風景が思い浮かびます。



これを食べると
めっちゃビタミンCをとった気分になります。
高知県安芸市のまぶしい太陽の光を 
たくさんたくさん浴びているせいだと思います。


食べ終わったあとに
文旦の皮を風呂の湯船に入れると
とても良い香りのお風呂になります。

ちなみにポンカンは
こんな感じです

この二つの柑橘類だけでビックリしたのですが、
まだまだこの商売は勉強の連続だと思いました。

数年前に初めて行かされた奄美大島には
『たんかん』という、
これまた恐ろしく美味しい柑橘類が存在しておりました。ポンカンのような色合いですが、皮は薄くてツルツルした感じ。味はポンカンより甘く感じましたが、キレのある甘さが特徴で、ジュースもめっちゃ美味しいです。


今、こうして書いていて
三つの果物の大きな共通点に気づきました!
何かお分かりになりますか???

三つとも四文字で『◯ん◯ん』ではありませんか!!

そうです!!ここで『阪神』と結びつくのです!

星野仙一さんが監督になられてから
一軍が沖縄の宜野座に行くようになり、
一軍と二軍が違う場所でキャンプを行うことになりました。
我々、昔から高知県安芸市のキャンプに馴染んできた者としては、かなりショックだったのですが、
明らかに沖縄の気候の方が選手のコンディション作りには好都合で間違いないですし、仕方ありませんね。

しかし、阪神タイガースというチームは義理堅いです。一軍二軍の入れ替えが行いづらい沖縄と高知の二ヶ所でのキャンプを今も行っています。
普通なら二軍も沖縄でという話になりそうなものですが、安芸市への長年の感謝もあるのでしょうね。

昔は練習が休みの前日の夜には、
ジャージ姿の阪神の選手の皆さんが
安芸の街をウロウロするという
ファンには夢の街でした。
我々も色々な選手や球団関係者の皆さんと一緒に
晩ご飯を食べたもんです。
この機会が一番仲良くなれる時ですね。
この安芸市での晩餐の中で
過去の選手で、私が一番笑って、ビックリしながら食事したコンビの選手二人!と言えば、
どのお二人だと思いますか??


亀山さん、新庄さんですね(^◇^;)


え?そうですか?少し疑ってますか?
そういうの我々は専門用語で、

『阪神半疑』と呼んでおります。