出発の日
いよいよ出発当日の朝となりました。この日は宿泊先のネットカフェで、6:30に起床しました。30分くらい、くつろいでいました。
この時、携帯にメモを書き記しました。
「なっちゃん、今から行くからね、もうなっちゃんはこの世にはいないから会えないけど、気持ちだけ、なっちゃんに会いに、行くからね」
そして、東京駅に向かいました。ここから、東京駅まではほんの数駅で、あっという間に東京駅に到着です。
新幹線のホームに向かい、7:50に新幹線に乗車しました。
10:25、新大阪駅に到着しました。
新幹線に乗るのは新大阪駅まで、ここからは在来線に乗り換えになります。
私は、今まで旅行などしたことがありませんでした。大阪に来たのは初めてでした、当初は兵庫県に向かう前に、大阪で下車して、少しだけ大阪の街を見て回ろうかと思ったのでしたが、スケジュール的にきつかったのでやめました。
新幹線の改札を出て東海道本線に乗車、途中、尼崎駅から、あの脱線事故を起こしたJR福知山線に乗り換えになりました。
道中の電車内から初めて見た関西の街の姿は私の目にはとても新鮮に映りました。
電車は途中どまりでした。11:23、塚口駅に到着しました。ここでホームに出て繋ぎの電車を待ちました。、天気も良く、寒くありませんでした、風もありませんでした。一番心配したのは、風が強くなることでした、風が強いと、メッセージとお花が吹き飛ばされてしまうからです。
しだいに、三田駅に近くなっていきます。
「さあ！なっちゃん、もうすぐ三田駅に到着だよ！」
11:55、ついに三田駅に到着しました。
「なっちゃん、三田駅に到着したよ！いやー、長かったな、東京から約四時間もかかったよ、さあ、これからが本題だね。」
三田駅の改札から外にでました。初めて来た所なのに見覚えのある光景が私の目に入りました。
前述したように、11月、12月の２ヶ月間の間、Googleマップのストリートビューで予習しておいたおかげで、街の様子が手に取るようにわかりました。ちなみに私はスマートフォンを所持していません、ですから、Googleマップであらかじめ目的地の周辺の地図をプリントして持参しました。
まずは三ノ輪幼稚園の場所を確認しに行きました。駅からすぐの場所なのですぐ確認できました。そして周辺で少し大きめの石を探しました。メッセージが風で吹き飛ばされないよう、重しにするためのでした。
次に、宿泊するホテルの場所を確認しに行きました。『さんだサンライズホテル』というビジネスホテルでした。ここで少しだけ手こずってしまいました。一本道を間違えたため、ホテルが見つかりませんでした。
そして、プリントしてきた地図を見ながら、もう一度三田駅からやり直しました。
無事にホテルを確認すると、少しだけ、周辺の商店街を散策してみました。元旦だったため、商店は全て閉まってました。人は誰一人歩いていませんでした。
そして、目的地に向かいました。神戸電鉄三田線の三田駅本町まで歩いて行きました。
驚きました。この駅は駅員が一人もいませんでした。切符を買ってホームに出ました。なんと、ホームには誰も人がいませんでした。私が一人だけでした。この鉄道は普段も利用客が少ないのだろうか？
電車に乗り、次の駅では少し人が乗って来たのでほっとしました。しばらく電車が進んでいくと窓の外にはとてものどかな風景が広がっていました。やはりこの鉄道はローカル線なのだろうか？実は私はのどかな田舎者の風景が大好きです。少し旅行気分を味わいました。
しばらくすると、田尾寺駅に到着して、下車しました。最初に地図とコンパスで方角を確認しました。県道82号線に出て歩き出すとまた見覚えのある景色が見えてきました。初めて来たのに、本当に不思議な感じでした。この辺りも、事前にGoogleマップのストリートビューで何度も調べましたので、街の様子が手に取るようにわかりました。
県道82号線を進むと国道176号線に行き当たる、国道176号線を進むと、中国自動車道の下ををくぐり抜け、マクドナルドのある所から、住宅地の中に入って行きました。何度も書いてしまいますが、初めて来た所なのに見覚えのある光景であるのはとても奇妙な感じでした。
そして、目的地だった『下山口公園』にたどり着きました。行く前は、果たして目指す目的地にたどり着けるのか、心配でしたが、思った以上にスムーズにいきました。
※事前計画の段階で、なっちゃんが三田市の自宅から７Km歩いて行った所を推測し、この辺りではないか？と思いました、ネットなどにもこの事に関する情報はありませんでした。分かっているのは西ノ宮市内ということだけでした。あくまでも、これは単なる私の憶測に過ぎません。
そして、とうとう目的地の『下山口公園』にたどり着きました。この周辺は住宅地ですが、この日が元旦だったせいでしょうか？人が誰も歩いていませんでした。公園には誰も人がいませんでした、近所の子供たちが遊んでいるのかと思ってましたが。
しばらくすると、親子連れの３人が通り過ぎました。子供を遊ばせるのではなく、ただ通り過ぎて行っただけでした。そのあとは、誰一人、人が通り過ぎることもありませんでした。この公園は普段でもこんなに人が居ないのだろうか？わかりません。
そして私は計画通り、この公園の中の植え込みに、お花と、なっちゃんへのメッセージを添えました。
「なっちゃん、ついにやって来たよ！なっちゃんを追悼しに、ここに来たんだよ。なっちゃんのお墓には行くことはできなかったけど、ここにお花とメッセージを添えていくからね。私からの気持ちをここに残しておくからね」
なっちゃんのおばあ様へ
「千葉県からお手紙を送った者です、どうしても現地でなっちゃんに祈りを捧げたく兵庫県までやって来ました。おばあ様からお手紙のお返事をいただき、今でもとても苦悩されていることが分かり、おばあ様の身を案じております。しかし、亡くなった方々への供養は生きている者の役目です、そういった意味で、今しばらく、そして少しでも長くこの現世で過ごされて欲しいと願います。私もこれからもずっと、なっちゃんに祈りを捧げていきます」
こうして、なっちゃんとなっちゃんのおばあちゃんに心の中で祈りを捧げ、無事に一日目の任務は無事に終わりました。
しばらく周辺を散策した後、田尾寺駅に戻りました。
途中にあった神社に立ち寄りました。こんな掲示を見つけました。まさしく、今回の私の旅の主旨は、こういう事だったのです。
田尾寺駅から三田駅に戻りました。19:00を過ぎていました。コンビニエンスストアで夜ごはんのパンとお酒を買いホテルに向かいました。
こうして、なっちゃん追悼の旅の一日目は終わりました。(次回に続く)