旅の準備②

なっちゃん追悼のため兵庫県三田市に行く事を決意し、2016年11月、12月は仕事が休みの日はひたすら、準備に取りかかる日が続いた。
ネット・カフェに通い、Googleマップで現地の地理を調べたり、どの地点になっちゃんへのお手紙とお花を添えるかを考えたりしました。

一方で、なっちゃんへのお手紙の作成にも取りかかりました。

ふと、思いました、わざわざ遠方まで行くのだから、形の残るものにしたいと思いました。普通のお手紙では路上に放置したら、すぐどこかへ飛んで行ってしまう、また雨にさらされた、ぐちゃぐちゃになってしまう。

どうせなら、形の残るものにしたいと考えた末、A4サイズの用紙に印刷して、ラミネート加工を施したものを作ることを思い付きました。これならば雨にさらされても大丈夫だ。また、できるだけ、目立つようにと、表紙はなっちゃんの顔写真を引き伸ばしたものにしました。写真を少し加工して、「なっちゃんへ」という文字も加えました。


メッセージも書きあがりました。メッセージは2通作成しました。一つ目は、ごく普通のお手紙のようなメッセージ、もう一つは『命の循環』というタイトルのメッセージでした。


なっちゃんへのメッセージの文面は以下のようなものです。『命の循環』は一番最後の記事でご紹介させていただきます。



満月満月夏美ちゃんへ

夏美ちゃん、私はつい最近になって、初めて夏実ちゃんの出来事を知りました。
(朝日新聞、2016年10月16日の記事)

夏美ちゃんが亡くなったのは、2009年11月のことで、もう7年が過ぎてしまいましたね。当事はこの出来事は世間では随分知られていたみたいだけど、残念ながら当事はこの出来事を知らず最近になって知りました。夏美ちゃん、今頃になってこんなことしてごめんね、新聞の記事を読んで、すごいショックを受けました、夏美ちゃんは新しいお母さんに、いろいろとひどい目に合わされて、かわいそうでたまりませんでした。まだ小さい夏美ちゃんが乱暴されている様子を思い浮かべると心が痛みます。新しいお母さんは夏美ちゃんを家から追い出したんだよね、とっても悲しかったことでしょうね?普通だったら玄関の前でずっと泣いているんだけど、夏美ちゃんは7Kmも離れた西宮市のおばあちゃんの所まで歩いていったんだよね、7Kmは大人でも歩くのたいへんなのに、よく歩いたよね。お家を追い出されて悲しい気持ちでいっぱいで、きっとおばあちゃんのことだけ考えて、必死で歩いていたのでしょうね、夏美ちゃんが歩いている様子を思い浮かべると、胸が締め付けられるようです。運命って本当に残酷ですね、もし本当のお母さんが生きていれば、夏美ちゃんは大事に育てられて今頃は小学校に通って、元気に過ごしてたんだろうね。本当のお母さんは夏美ちゃんが2歳の時に、病気で亡くなってしまったけど、夏美ちゃんのことすごく大事に想ってたみたいで、どうしてこんな運命になってしまったのでしょうね!おばあちゃんは、虐待に気が付いて、いろいろ働きかけたけど、周りの大人の人達の対応が遅れて結局夏美ちゃんを助けることができなかったんだよ。本当に夏美ちゃんのことが、かわいそうでたまらないよ!夏美ちゃんのこと思うと悲しくなって涙が出るよ!

おばあちゃんにもお手紙を出したよ、
(朝日新聞社経由で)

実はね、最初は夏実ちゃんのお墓参りをしようと思ったんだけど、諸事情により実現しなかったんだ、でもね、どうしても、夏美ちゃんがいた三田市と夏美ちゃんが歩いて行った、三田市から7Km離れた西宮市にやって来て、夏美ちゃんへのメッセージをここに残して置きたかったんだ!

そして、現地の空に夏美ちゃんに、どうしても、祈りを捧げたかったので、千葉県からやって来ました。一泊したら、すぐに帰らなければなりません。

*およそ、2カ月間の計画、調査、準備を経て、なんとかやって来ることができました。天国の夏美ちゃんに届くようにと願いを込めて、メッセージをここに残していくことにします。

夏美ちゃん、天国でお母さんと安らかに過ごしてね、これからも、遠く離れた千葉県から夏美ちゃんのために祈ってるからね!



こうして、なっちゃんへのメッセージも何とか出来上がりました。
※冒頭の部分満月満月夏美ちゃんになっています、実際には本名のフルネームで書きましたが、一応ここでは、控えさせていただきます。
そうしているうちに、一つ困ったことに気が付きました。お花です。最初は現地で購入しようと考えたが、元旦の日に花屋は開いているはずはない。仕方ないので地元で購入して持参することにしました。ただ、年内最終の休みは12/26だった、出発は1/1だった、持っていく前にしおれてしまうのではないか?そこで、生の花ではなく、造花にした。仏花の造花があったのでこれを購入しました。よく考えてみると、造花なら何ヵ月経っても、しおれたり、枯れたりはしません。

そして、新幹線の切符の手配、ホテルの予約もなんとか済ませました。

このようにして、2016年11月、12月は兵庫県三田市へ行く準備をしながら過ごしました。そして、出発の日がしだいに近づいて来ました。頭の中は、この旅のことで一杯でした。(次回に続く)