BS日テレでは今、木曜日21時から「007シリーズ」全作品を1作ずつ絶賛放映中。「ドクター・ノオ」に始まり今週放映の「私を愛したスパイ」はシリーズ11作目、もちろん何度も繰り返し見てはいるが、全作放映と聞くと、その度反応してしまう。というわけで、テレビと自分のライブラリーを併用して毎週木曜日の夜は「007」を見ている。

 

今までに6人の役者がジェームズ・ボンドを演じているわけだが、どうしても初代のショーン・コネリーを超えてくる俳優はいない。以下あえて順位をつけるとすれば、ロジャー・ムーア、ピアース・ブロスナン、ダニエル・クレイグ、ジョージ・レーゼンビー、ティモシー・ダルトンということになるわけだが、それは単に好き嫌いによるものである。そして作品もまた同じく好き嫌いにより、「ロシアより愛を込めて」、「ゴールドフィンガー」、「カジノロワイヤル」がトップ3ということになろうか。

 

しかし不思議なもので、繰り返し見るたびに好感度が上がっている作品がある。「女王陛下の007」や「黄金銃を持つ男」だったりがそれにあたる。つまり何度見ても、どの作品も面白いのが「007シリーズ」ということになる。いわゆる勧善懲悪ワンパターンのストーリーで、そこにはサスペンス要素があるわけでもないのに引き込まれてしまう。アクションシーンもどこか荒唐無稽で笑うしかないようなところもあるのだが、それでも面白い映画だと思えてしまう。好きだからといえばそれまでだが、超一流の娯楽作品というものはそんなものなのだろう。

 

そんなことを考えていると、「私を愛したスパイ」こそがシリーズの中で最も面白いと言えるかもしれない。敵役、ボンドガール、秘密兵器、荒唐無稽なアクションシーンなどが際立っている。確か封切り時は正月映画だったと記憶している、新年早々の浮かれ気分で劇場で楽しんだ。

 

毎週木曜日にあと14回見続けることになるわけだが、今まであまり芳しい印象がなかった作品にも、魅力が備わっているはずだし、新しい発見もあるだろう。大いに楽しみたい。