今年は7月の「祇園祭」も、今月の「時代祭」も3年ぶりに通常開催され、ウィズコロナからアフターコロナという局面に移行。そんな中国際観光都市京都の現状はどうなんだろう?今回で4ヶ月連続での上洛となるわけだが、その中で観光客の流れなどの変化を感じることはできた。定点観測ではないので、一概に言えることではないと思うが。

 

7月中旬 

平日だったが、ちょうど鉾建てや曳始めの頃、鉾町でスマホやカメラを構えるのは観光客というよりも地元の人が多かったような気がした。夕方多くの店の閉店間際の錦市場を歩いたが、もちろん人通りはまばら、観光らしい外国人は全く見かけなかった。というより、その日夕方京都駅から烏丸御池のホテルに移動する間、外国人どころか日本人観光客の姿も目立たなかった。祇園で夕食を済ませて店を出たのが8時半頃だったろうか、祇園白川界隈は静まり返っていた。

 

8月初旬

いわゆる閑散期ではあり、しかも平日のこと。インバウンドが増え始める前に、いくつかの世界遺産をゆっくり回っておこうと、まずは「銀閣寺』へ、驚いたことに私を含めて3組ほどの日本人観光客だけ。一瞬ではあるが、「方丈」前の銀沙灘のある庭園を独り占めできるほどだった。その後やはり世界遺産『龍安寺』〜『仁和寺』〜『天龍寺』と歩いたが、なんのストレスもなく過ごすことができた。どこで誰に訊いても、インバウンドはまだまだということだった。

 

9月下旬

前月に味をしめて、やはり世界遺産をいくつか回ることにした。そのスタート『二条城』の目の前のホテルに泊まったが、エレベーターでも他の宿泊客と乗り合わせることもないほど閑散としていた。ところが翌朝朝イチで『二条城』へと向かうと、10台以上の大型観光バスが目に入った。そして制服を着た修学旅行生の波。インバウンドはまだ戻らずとも、修学旅行は戻っていることを忘れていた。世界遺産でゆっくりのんびり過ごすことが目的なので、そこをスキップして、『西本願寺』から『東寺』へと向かった。『東寺』では2クラス分くらいの修学旅行生が拝観を終えようとしていたところだった。

 

10月

目的は「時代祭」見物、今年は週末土曜日ということもあり、それなりの人出は覚悟していた。そばの老舗『本家尾張屋本店』、メディアに取り上げられた京都の町中華『マルシン飯店』には長い行列ができていた。さらに何より驚いたのが、インスタ映えするゼリーポンチが名物の四条木屋町の喫茶店『ソワレ』の店前には、まるで劇場裏で人気芸人の出待ちをする若者たちのような賑わい、週末だからこそなのだろう、地元の若者や、もちろん観光客も。

写真は先週土曜日の夕方、四条大橋からの2枚。コロナ前だったらその大多数が観光客だっただろう。週末ということもあり人では多めも、外国人の姿が目立つわけでもない。等間隔で並ぶカップルの数も、これも週末ということでやや多めといったところか。

 

夏から秋へと、京都には観光客が戻り始めている。来月下旬には紅葉の盛り、名所はどこも賑わうことだろう。コロナ前、京都の街がインバウンドで沸騰すると、日本人観光客は減少し始めていた。外国人がまだということなら、離れていた日本人観光客でいっぱいになることは容易に想像できる。「やっぱりどこへ行っても人ばかり」と思うか、「まだ外国人が少ないうちに」と思うのだろうか。今ざっとネットの宿泊サイトを覗いているが、紅葉のピークシーズンでもコロナ前より、各ホテルの料金設定は安く抑えられているようだ。それを見る限り、まだ今のところは新規ホテルの開業ラッシュを受けて供給過多ということなのだろう。