映画として面白かったかどうか?その判断は今月下旬に公開される後編SIDE:Bを観てからということになりそうだ。

 

多様性、持続可能だとか男女平等だとか、そんな抽象的な概念に包まれて開催されたオリンピックの公式記録映画、河瀬直美監督ということで、どんなタッチになるのかは概ね想像通りだった。難民指定選手に、ママさん選手、一年延期でオリンピック出場を断念した女子選手など、メダリストよりもそちらに比重が置かれていた。感動や歓喜の瞬間、偉業達成の瞬間、そんなスポーツハイライト的なものではないのは当たり前だとは思うが、ちょっと寂しい。

 

オリンピックの精神性、あるいは今後のあり方などのメッセージ性はこのジャンルの映画には欠かせない要素だと思う。ただ忘れてならないのは、スポーツの世界最大のイベントであるオリンピックはアスリート達にとっては、人生を賭けた勝負の場であることだ。ある意味もっと汗臭いドラマも盛り込んで欲しかったような気がする。

 

6月24日公開のSIDE:Bには、勝利の瞬間などがもっと散りばめられていればと願う。このままのタッチで後編も描かれているとしたら、社会的なメッセージだけを考えさせる映画になってしまう。