仕事の帰り道によく立ち寄る、新宿にあるお気に入りにラーメン店。12席ほどのカウンターだけの店。そこそこ人気があるようで、私もチラッと覗いて、空席があるときにだけ入ることにしている。

 

そして今夜も、その店で夕食をとった。私が空席につくと、ちょうど満席になり、出るときには5〜6人の行列ができていた。

 

私の隣の先客は、つけ麺をすすっていた。チラッと横目で見ると、なんだか姿勢が悪い。そして手元を見ると、箸の持ち方が全くできていない。食べづらそうな箸づかいで、食の進みが悪い。食べているものが、ひどく不味そうに見えた。子供が箸を握って、どんぶりに口をつけてかき込んでいる、そんな姿に映った。ところが、彼は子供ではない、20代半ばくらいの男性で、会話からするとれっきとした日本人だ。そんな彼を見て、改めて思った。箸をきちんと持つことは、食べやすいというだけでなく、きちんとした姿勢で食べることができ、食べ物が少なくとも不味そうに見えることはないということ。人前で食事をすることもあるのだから、最低限の作法は、大人としてエチケットだと思う。

 

そしてもう一件、見ていて腹が立つ思いだったこともあった。社会人と思しき男性二人組、私がラーメンを待つ間にほぼ食べ終わっていた。ところが、会話をしたり、スマホをいじったりで、なかなか席を立たない。私が食べ終わってもまだ、席を占拠していた。店の外に行列ができているのもわかっていたはず、どうしてそんな無神経なことができるのだろう、不思議でたまらない。

 

たかがラーメンを一杯食べるだけの間に、あまり見たくない光景が二つも、あまり気分が良くない食事時間になってしまった。