一冠目は阪神マイルの桜花賞、そして二冠目のオークスは東京の2400m、しかし、一気に4Fの距離延長をあまり気にすることはない。それは3歳牝馬にとっての春の最大目標は桜花賞であり、その結果こそが現時点での絶対能力のランキングだから。距離が延びようが、わずか1ヶ月半の間に、大きく変動するわけがない。その証拠に、私の競馬キャリアの中で桜花賞の1〜3着が、オークスもそのままだったことが2度もある。オークスを予想する際には、まず桜花賞を重視すべし、それが常識になっている。

 

さて、今年の桜花賞はというと、私は上位人気数頭による混戦と見立てた。ところが終わってみれば、グランアレグリアの断然一強というレースだった。その桜花賞馬が、距離適性にこだわったのか、NHKマイルCに回ってしまった。となると、桜花賞で負けた馬たちの争いということになる。すると困ったことに、勝ち馬のあまりの強さの前に、桜花賞馬上位組の馬たちが弱く見えてしまっているのだ。もしかしたら今年は、別路線組の方が面白いかもしれない、そんな思考になっている。

 

本命はコントラチェック、管理する藤沢調教師は、桜花賞でも好勝負できたであろうこの馬をここまで待機させた。この馬のいいところは、速く走るのが好きな馬だということだろうか、ここ2戦のレースぶりから素人目にそう映る。馬自身が無理しているわけでも、騎手がそうさせているわけでもない、それがこの馬の天賦の才ということだろう。重賞はフラワーC勝ちがあるが、一線級と交わるのは初めてになる。そしてルメールの騎乗停止により、短期免許来日中のダミアン・レーン騎手に手綱が託されることになった。ここに来て運のなさは気になるが、素質に賭けたい。

 

対抗も別路線組、桜花賞当日の忘れな草賞で無傷の3連勝を飾ったラヴズオンリーユー。この馬の最大の魅力は血統だろうか、ドバイターフ勝ちのリアルスティールの全妹にあたり、これまでの成績も頷ける。桜花賞組と違い、2000mまで経験している強みもある。ただし、これが初めての関東遠征、課題がないわけじゃない。

 

3番手評価は桜花賞3着のクロノジェネシス、早くからオークス狙いと言われ、桜花賞の前哨戦には東京のクイーンCを選択し、長距離輸送も経験済み、G1も2、3着と、桜花賞馬不在のここならば主役を張ってもいいとさえ思っている。

 

さらにもう1頭気になるのが、なんだかチグハグなレースが続くシェーングランツ。桜花賞ではとうとう掲示板を外す9着惨敗、その脚質から最内1番枠からのスタートが大きな敗因だと思っている。東京の2400mは彼女にとって、鬱憤ばらしの舞台としてうってつけじゃないだろうか。とにかく、2歳秋東京マイルのアルテミスSで繰り出した末脚が忘れられない。

 

桜花賞馬のあまりの強さに、他の馬を見る目が少し曇っているかもしれない。別路線組2頭を本命対抗にするなんて、なんだか来週のダービーに向けての運試しのような予想になってしまった。

 

(結論)

◎コントラチェック

○ラヴズオンリーユー

▲クロノジェネシス

△シェーングランツ

馬券は◎の単勝、◎ー○の馬連、そして◎○2頭軸で▲△への3連複2点でいいだろう。私はあまり▲を打たない、ここは明確な順位づけの根拠があるわけでもなく、混戦だと思うからこそ。勝つに越したことはないが、この馬券で負けても精神的ダメージは残らない。それが何より、来週はダービーだから。