G1レースの中でも、最も馬券相性が悪いのが皐月賞、もちろん何度かは当ててはいるが、もう今は昔の話。というわけで思い出といっても、ほとんどが馬券を外したレースということになる。

 

1着ディーマジェスティ

2着マカヒキ

3着サトノダイヤモンド

 

2016年のレース当日、私は電車で中山競馬場に向かった、ちょうど昼頃だったろうか、東京から京葉線の電車に乗り込んだ。までは予定通り、ところがその日は朝から強風が吹き荒れ、電車は潮見駅で停車そのまま運転見合わせ。しばらくは電車を降り、駅で運転再開を待ったのだが、全くその目処も立たず、私は焦った。結局一時間ほどそこで時間を潰し、競馬場行きを諦め、バスと地下鉄を乗り継いで銀座の場外に向かった。

 

そんなことがあったからだけではない、この年の3歳牡馬は2歳時から空前のハイレベルと評され、そのレース自体が非常に楽しみだったからこそ思い出に残るレースだということになる。私の本命はサトノダイヤモンド、きさらぎ賞からのぶっつけはいかにもその先のダービー狙いは明らかだった。十分承知しながらも、そのきさらぎ賞のパドックを生で見て、すっかりこの馬に惚れ込んでしまっていた。

 

実は、一冠目はマカヒキに譲る可能性が高い、そうも思っていた。買った馬券はサトノダイヤモンドマカヒキエアスピネルの3連単1点だけ。欲を抑え、出費を抑え、ダービーでこそ大勝負と気持ちを切り替えた。そしてモニターで、パドックをチェックしていると、人気薄の1頭に目が止まった。それが大外枠に入ったディーマジェスティだった。パドックを周回する姿は、まるでゴムまりのように、今にも弾けそうだった。腹が丸いのは母方のブライアンズタイムの血が色濃く影響していたのだろう。

 

そしてレース、直線の坂、上位人気4頭を並ぶ間も外から差し切ったのがディーマジェスティ、これには唖然、「まさか頭まで突き抜けるとは…」と、何度頭の中で反芻したことか。それはまぐれでもなんでもなかった、ダービーでは体調不安も囁かれながら3着入線してみせたのだった。

 

三強?四強?と勝手に舞い上がり、共同通信杯を制しながら、人気を落としていた実力馬をすっかり見落としていた。レース後、新幹線で京都に向かったのだが、車中では反省しきり。