最近各界のレジェンドと呼ばれる人たちのドキュメンタリーや電気映画的なものばかり見ている気がする。レジー・ジャクソン、クインシー・ジョーンズ、アレサ・フランクリンに映画「Air」などだ。「事実は小説よりも奇なり」というが、大きなことを成し遂げてきた人物たちの物語は面白い、そしてフィクションよりも深く心に刺さる。

 

アメリカで「月刊プレイボーイ」が創刊されたのは1950年代半ばのこと、創刊者ヒュー・ヘフナーは性の解放を掲げ、公権と戦いながら、表現の自由を訴え続けた。しかし決してヌード写真ばかりを並べたわけではない。時代は男性上位社会、経済的にも豊かになり、様々な情報を盛り込み、お洒落な独身男性向けの娯楽雑誌を目指した。美しい女性のヌード写真は雑誌を手に取るきっかけづくりだったのかもしれない。広告主も吟味し、下品でもなく安っぽくもない男性娯楽雑誌に仕上げた。紙媒体の衰退もあり、現在は出版されていないが、少なくとも半世紀以上トップコンテンツであり続けた。娯楽だけでなく、公民権運動やベトナム戦争、ウーマンリブ運動、中絶、エイズなど社会問題にも真剣に取り組んだ。

 

私も高校生だった頃から、その日本版を愛読していた。思春期であれば、センターフォールドの「今月のプレイメイト」が目当てだったことは否めない。しかし、何度も手に取るうち、そのお洒落な広告に魅せられ、社会人になった後の自分を妄想したりしたものだ。そしてアメリカンな大人のパーティージョークのコーナをなん度も読み返したものだ。いつかは東京にもできた「プレイボーイクラブ」にいってみたいという憧れも抱いていたが、それも叶わず残念でならない。

 

くだらないと思われるかもしれないが、ヒュー・ヘフナーの生き方は男にとって一つの理想像と言ってもいいだろう。このドキュメンタリードラマでは、必ずしも負の部分は描かれていないとは思うが、大いに見応えのある作品だと思うし、鼻をつまむ人もいるとは思うが、ある意味現代の偉人の一人と言っていいだろう。