今季から千葉ロッテマリーンズ監督になられた吉井理人氏著「最高のコーチは教えない」を読みました。吉井氏のことはもちろん名前は見たことがありましたが特に興味を持ちませんでした。しかし、監督になられ初めてのキャンプで特集されていた記事を読み、もう少し勉強しようと本書を手に取りました。
印象に残ったのは以下三点です。
1. いきなり教える側に立つことは出来ない
自分のことしか考えてこなかった人間が、何の準備もなく教える側に立っても、自分の経験を伝えることしか出来ない。
2. PMモデル
実際の現場におけるコーチングでは指導行動と育成行動を使い分けることで選手に適切な指導を模索する。その使い分けの基準となるモデルが「スポーツコーチング型PMモデル」である。PMとはパフォーマンスとメンテナンスという二つの側面から累計したリーダーシップ論である。
3. 一対一で振り返りミーティング
①自己採点
②試合で良かった点、悪かった点
③もう少しこうすればよかったかもしれないと思う点
④試合の準備がうまくいったか
⑤これらを踏まえ次の試合はどうしたいか
引用を終わります。
私自身は今経営者として組織活性化が大きなテーマのため本書を手に取りました。一方、個人としては元ラグビーコーチとして計五年間の経験があり、本書を読みながらうなづく点が多かったです。
吉井氏はビジネス経験はありませんが本書をビジネスパーソンも想定して書かれていました、本書の提案は私のビジネスにもぜひ取り入れてみたいと思う点が多々ありましたので、やはりスポーツとビジネスは「人間がやっている」という点で共通点が多いと再認識した次第でした。
最後に「おわりに」に書かれていた文章を引用して終わります、この文章は自らのこととします。
吉井さんにお礼を言うとともに、今シーズンのご活躍を祈念します。
「サッカーのコーチは、自分が教えたことを選手が出来なければそれは選手の責任ではなくコーチの責任であると考える。だから一つの方法でできるようにならなければ、別の方法で指導しなければならない。ということは一つのスキルを指導するために無数の指導方法を知っていなければならない。(中略)しかし野球界では教えたことができないのは選手の責任と考える。その考え方の違いに愕然とした。よく考えれば野球界の非常識さは歴然としている。なぜなら、コーチは人を導くのが仕事だからだ。人に考えさせ、できるようにさせるのが使命だからだ。」