161113良い努力

 

マッキンゼーで長年パートナーを務められた山梨広一氏が書かれた「いい努力」を読みました。マッキンゼーで取り組まれた仕事経験から書かれており、大変勉強になるすばらしい内容です。もちろん、PSAを学び実践している私の価値観とも大いに合う内容でした。

参考になった点は以下の通りです。

1.いい努力の定義
成果につながるもの、目的が明確なもの、時間軸を明確に意識しているもの、生産性が高いもの、充実感を伴うもの、成功パターンが得られるもの、成長を伴うもの
2.Leveraging others and being leveraged by others.
3.いい努力の決め手となるのはアウトカム(成果)思考が強いかどうかである。ただアウトプットを出せばいいのではない。
4.責任をもってやる=責任をもって人も活用する
5.常にフロントローディングする。フロントローディングとはもともとは「前の方に負荷をかける」という意味だがメーカーなどでは、製造工程の最初のほうに時間や労力を大きく投資して、後半に発生しそうな問題を防ぐという手法を指す。これが多くの仕事においても有効だ。「情報共有を最初にする」「大きな方向性を最初に検討する」「面倒くさいことを最初にやる」「心理的に負担がかかることを最初にやる」「初期段階で人を巻き込む」ことがポイントである。
6.面倒でもチームプレーを心掛ける。努力はひとりでコツコツやるものとイメージを抱いている人もいるかもしれないが、人を巻き込むこともいい努力の重要な要素である。
7.関係ないことにも時間をかける。一見無駄なことをすることによって思考に幅が生まれ、優れた判断ができるから時間にゆとりが生まれ、成果も出る。時間にゆとりが生まれれば、さらに考える時間や知識をたくわえる時間、自分の幅を広げる時間が生まれる。成果が出れば自信と他信が手に入り、無駄に見える時間の使い方も周囲に認められ好循環となる。これはたんなる効率性の追求からは決して生まれない働き方だ。
8.「2・4・8・16の法則で未来を見据える」。これはつねに大きなプロジェクトを2社担当し、4つのプロジェクトをリードし、同時に8つの将来のプロジェクトについてクライアントと協議していて、さらには16くらいの将来テーマを議論していることを目指して、自分の活動を計画、実行しなさいというもの。相当きついが、出来る限り見習いたいいしきであり、理想的な仕事の姿だ。
9.リーダーシップの定義。「第一に、新しいことを考え行動する」「第二に、自分から考え、自分の意思で動き始める」「第三に、まわりの人たちが、その活動を支持し、巻き込まれていく」。

引用を終わります。

普段は「3つにまとめる」のですが、参考になる点が多く、結果いつもの三倍になってしまいました。「フロントローディング」「2・4・8・16の法則」等は初めて知った言葉で実行するのは簡単ではありませんが、目指していきたい姿です。

「自分の頭で考える」「自分の意思で行動する」はPSAを学んだ以降、大切にしてきた価値観です。マッキンゼー出身の著者なので、根本の思想は同じなのですね。この価値観は持ち続け、行動を続けます。