151116座らない

トム・ラス著「座らない!EAT MOVE SLEEP」を読みました。以前から考えていたこと、気になっていたことが明晰に書かれており、大変勉強になるとともに、私自身も行動しなければと強く決意しました。

トムは前書き冒頭にて「経営者にとって健康とウェルビーイング(身体的・精神的・社会的に良好な状態)を促進するのはもっとも重要な仕事である。」と書いています。当たり前のことであるのですが、あまりに当たり前で逆に重要性が見落とされているように感じます。また、この10年間追いかけているダニエル・ピンクも推薦の言葉を書いており「本書は変革を起こす力を秘めた作品だ。」と強く語っています。

本書において印象に残ったのは三点です。

1.「座り続けること」が最大の敵

平均すると、私たちは一日9.3時間も座っています。眠っている時間よりも座っている時間のほうが長いのです。人間の体はこのような環境に適応するようにつくられていません。結果として多くの人が肥満体になり、糖尿病を患うなど深刻な健康問題を引き起こしています。たとえ食事に気を付けて一日30分運動するのを日課にしても、毎日9時間以上の座位に伴う悪影響を相殺できません。(中略)このような慢性的な「身体不活動」は減らさなければなりません。これは短時間に激しく運動することよりも重要です。米国立衛生研究所が24万人の成人を10年間追跡したところ、運動だけでは良好な健康を維持出来ないことがわかりました。1間に合計7時間の運動(「中強度」か「高強度」)でも、元気に寿命を全うするには不十分なのです。

2.睡眠不足は泥酔状態と同じ

睡眠不足だと、本来の自分とは違う人間になってしまうのです。90分間の睡眠不足は昼間の注意力を3分の1近く削ぐ、という研究結果もあります。一日に注意力を求められる場面はいくらでもあります。注意力が3分の1も減退するというのは深刻です。ひょっとしたら、1時間余分に眠るのは1時間余分に働くのと同程度に重要かもしれません。(中略)

睡眠不足は生産性を落とす、これは単純な真理です。この問題を広範に調べた科学者によると、4時間の睡眠不足は、ビール6本の摂取に相当する影響を体に与えます。

3.運動後は12時間気分が良い

研究者が大学生のグループに運動するよう指示し、運動後の一日の気分を追跡する実験がありました。すると、驚くべき結果が出ました。被験者の大学生は、適度な運動である「中強度運動」をたった20分行っただけでした。にもかかわらず、運動しなかった学生と比べて、はるかに気分が良くなったのです。この結果は、従来の研究を裏付ける内容でした。研究者にとって最も興味深かったのは、良い気分の持続時間です。20分間運動した大学生はその後一日中気分よく過ごせたのです。2時間後、4時間後、8時間後ばかりか12時間後もです。要するに、20分間適度に運動すると、以後12時間にわたって劇的に気分を良く出来るのです。だから運動するなら朝です。

引用を終わります。

題名が「EAT MOVE SLEEP」ですので食事に関する記述もたくさんありますが、今回はそれ以上に睡眠と運動の効果が印象に残りました。特に「座りすぎている」という指摘はその通りですね。ちょうど「Do not Just Sit There.」というコラムを読んだところでしたので、余計に腹に入りました。

さて、トムはこの生活習慣を変えるために、本書にてたくさんの提案を行っています。全部は出来ませんので、私にも実行できそうな点を以下引用します。

30日間、少なくとも一つのアイディアを実践してみる」

1. 理想の睡眠時間は8時間。

2. アメリカ政府が定めた基準は一週間に150分間の適度な運動。

3. 正しく食べて、もっと動き、ぐっすり寝る。これら3要素を組み合わせるとき、大きな効果を得られる。3要素の単純合計を上回る効果です。

再度の引用を終わります。

上記以外でも「歩きながら仕事をする」「20分ごとに2分歩く」「ウォーキングミーティング」「学んだ後の運動で記憶が定着」「スマホ姿勢は体に負担」等多くのキーワードがあります。次は読者の皆さんが自分自身のキーワードをぜひ探してください。

「一週間に150分の適度な運動」。今は90分くらいだと思われますので、121日から実践するよう目標にします。