浜田宏一、若田部昌澄、勝間和代共著「伝説の教授に学べ 本当の経済学がわかる本」を読みました。先日読んだ浜田さんの本に続く第二弾として読みましたが、変わらぬ主張には勉強になりました。

1.2008年世界金融危機の際、日本銀行だけがFRB・イングランド銀行・欧州中央銀行と比してバランスシートを増やさなかった。結果、円だけが高くなり、輸出産業が打撃を受け、鉱工業生産指数では日本が一番打撃を受けた。

2.すぐにハイパーインフレは起きないから心配することは無い。
(1)現在デフレで状況が悪いのに、将来起こるかどうかわからないハイパーインフレを心配するのはいかがなものか。
(2)長いデフレの後でインフレになるには物価安定の局面がある。もし火事(ハイパーインフレ)の兆候があればそこで水をかければ良い。クルーグマンも言うように、大洪水の最中なのに火事になることを心配して水をまいているのが日本銀行である。

3.経済学者と歴史学者では捉え方が違うため、戦前の大不況に対し誤解がある、代表的なものは次の五つである。
・1929年10月ウォール街の株価暴落で始まった。
・フーヴァー大統領は無能であった、回復のためにはルーズベルト大統領が必要であった。
・ルーズベルト大統領が行ったニューディール政策によって大不況から脱出した。
・為替切り下げ競争と関税引き上げ競争が大不況を激化させた。
・完全に回復するためには1941年パールハーバーを待たなければならななった。

引用を終わります。

1は前回の本にも踏襲されている基本的な考え方、2もほぼ同様。3は私も学校で習ったことでしたが誤解と書かれており印象的でした。5つそれぞれがなぜ誤解かということは本書をお読みください。1・2については単純ではありますが、わかりやすい説明のため理解出来ます。
尚、前回の本にて説明不十分であった「人口減少はデフレの原因にはならない」ことについて、本書では触れられていませんでしたので残念でした。

いずれにせよ、現在の安倍政権の政策の基本となっている浜田氏の考え方は理解をする必要があると考えます。これからも勉強を続けます。

http://diamond.jp/articles/-/30804