浜田宏一著「アメリカは日本経済の復活を知っている」を読みました。浜田氏は安倍総理のアドバイザーを務めていると言われていますので、アベノミクスの基本となる考えを理解出来、勉強になりました。

本でポイントとなったのは三点でした。

1.極端な円高と鉱工業指数
リーマンショック以降、英米の中央銀行が通貨供給量を増大させてことに対し、日銀はそれを行わなかった。供給が少なければ値段が上がるという原則通り、リーマンショック以降極端な円高が進んだ。一方、この極端な円高により輸出中心の基幹企業が大幅な打撃を受けた。リーマンショック以降の鉱工業生産指数を見ても、一番打撃を受けたのは日本の産業界であった。

2.人口減はデフレの要因にはならない
人口減や人口構成の変化は、たしかに成長低下の要因ではある。しかし、人口減や構成の変化は、インフレの要因になってもデフレの要因にはならないというのが、経済学、経済の心理学から出てくる唯一の結論だ。

3.日本は破産しない
政府は貧乏だから国債つまり政府の債務を保有する時には少し不安がある。しかし、今のところ、日本政府の将来の徴税力、言いかえれば国民の租税負担力を信頼しているから、それが日本の国債に対する信頼につながる。そのため、国債の金利が低いのである。。

引用を終わります。

たしかに1は円安に修正され株高、企業収益の改善に繋がっています。しかし、2については本書の中で明確な根拠が記載されていませんでしたので、まだ最終的には理解出来ていません。加えて、3はたしかに日本は破産しないかもしれませんが、それは「国民の預貯金を政府が取ること」で防ぐことが出来るという理論構築のため、国民としては納得してはいけない考えだと思っています。

いずれにしろ、浜田氏の考えは師匠大前さんとは違う点が多いため、両論をしっかりと理解する必要があると考え、本書を読みました。もう数冊は浜田氏の本の勉強を続けたいと思います。