昨日、武蔵野店、今日、多摩永山店への往復で読みました。


PHPビジネス新書 愚直に実行せよ!人と組織を動かすリーダー論 中谷巌


中谷さんは元一橋大学教授で、ソニー社外取締役に就任する際、公務員の兼務問題が発生した方なので、名前を聞いたことがある人も多いと思います。現在は、多摩大学学長、三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長を務められています。

私は「商社の未来像」「プロになるならこれをやれ」等数冊を読んだことがありました。今回は前々回・前回の大前さん、堀さんとこの中谷さんのPHPビジネス新書3部作をまとめて買って読みました。


正直な感想は「リーダーという仕事は極めて重責である」と再認識させられたということです。


1.リーダーたるものすべからく「教養」を身につけよ

  教養といっても知識のことではない。教養があるということは、人間や社会について「好奇心」を持ってい 

  るということであるが、実際、好奇心がある人はいつも「なぜ、そうなるのか?」ということを考えている。

  「賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ」読書を通じて歴史を学ぶ姿勢が重要だと思う。


2.人間の営みとは不条理なものである

  リーダーが「人間の不条理」「生きることの(無)意味」について一度も考えたことも、悩みぬいたこともなく

  ただがむしゃらに突き進むだけの人間であったならば、多分その人は人間的にあまり面白くない人間で

  あろう。「人生の不条理」や(無)意味、はかなさを認識しながら、それにもかかわらず何かを成し遂げる

  ことの偉大さに目覚めている人間こそ、真のリーダーの資格があると思う。


3.自分の国 日本をしっかり勉強せよ

  「日本という国はなぜ成功できたのか」「日本という国の強みと弱みはなにか」といった大局的な見方を

  リーダーは常にもっていなければならない。自らの中に強みと弱みをしっかり自らのフレームワークの

  中に組み立てておくこと。これこそ、リーダーとしての「説明能力」を高める上での前提条件なのでは

  ないだろうか?


中谷氏は、歴史・哲学・倫理の大切さを繰り返し説いている。その点では私ははなはだ勉強不足であることを痛感させられた。最後に一つ質問です。


「自分の息子を生贄に出来ますか?」


この問いにすぐ答えられない人は是非一読をお勧めします。


尚、本書に出てきた以下の本を今後読んでみたいと思います。


「シューポスの神話」カミュ

「君主論」マキャベリ

「モーゼと一神教」フロイト

「決定的瞬間の思考法」パダラッコ

「代表的日本人」内村鑑三