言葉
弟は統合失調症でした。
統合失調症とは病気です。
脳内化学物質が通常に機能しなくなる病気です。
気の持ちようでよくなるものではありません。
脳内科学物質の機能を安定させる?ために薬が必要です。
その薬は脂溶性で、成分が効きはじめるには時間がかかり
薬を飲むのを辞めてもしばらく抜けないようになっています。
弟が状態を悪くさせた原因がここにあります。
火事の起きる前、弟の状態は今までにないくらい良いものでした。
一緒にサーフィンをしたり、アルバイトをしたり・・・
薬を飲むのを辞めた弟は、薬が抜けると状態は今までよりさらに悪化したのです。
火事で煙を吸って入院した弟の状態は悲惨でした。
いっそのこと死んでたほうが楽だったのにと思いました。
もし、僕が弟だったら殺してくれと思っただろう。
気管支炎で人工呼吸器を付け、
暴れないように手足を縛られ、
熱で顔面はやけどをし、
差し歯にした前歯は熱で溶けていた。
人工呼吸器が苦しくなり、自分で無理やり抜いて気管支を傷つけた。
目はうつろ。
声にならない声を出す。
人がこんなになると知っている人はどれだけいるのだろう。
自分がこうならないとは100%言い切れないのに。
手足が縛られているので嫌なんだろう・・・ほどこうともがく。
力いっぱいもがく。
うつろな目のまま。
会話にならない奇声とともに。
そして聞き取れる潰れた声を聞くことができました。
「大丈夫だよ」
???
「はじめるのに遅すぎるなんてないから」
!!!
お見舞いに行った僕に掛けられた言葉です。