今日は撮影前に円谷プロダクション主催の「ありがとう会」に参加。
なにが「ありがとう」なのかと言うと、僕が19歳から20歳の頃、一年間通いつめた母校とでも言うべき撮影スタジオ「東宝ビルト」が今月末閉鎖、そして円谷プロダクション砧社屋閉館にお別れとありがとうなのだ。
晴れの日も雨の日も、朝も夜も。
スタッフやキャストが当たり前の様にいて、当たり前の様に撮影をしていた時間がここにはあった。
色んな思い出が沢山詰まった場所がまた一つ、二つと輝かしいその歴史に幕をおろす。
東京の新宿に生まれたオレにとって、田舎の様な大切な場所がまたかよってくらいに消えていく。
18歳の時に丸坊主になり人生で初めて映画の舞台挨拶をした新宿東映会館も今やバルト9となっている。
さて、東宝ビルトのオープンは、故黒澤明監督の「七人の侍」でも使われていた名所だ。
僕らが乗っていた飛行機の空向けの撮影はここで行われていた。
ビルトの控え室では、様々な共演者と弁当食べたり語りあった。
今もあの当時のままだ。
ここでオーディションをしたんだ。
この日、「円谷TV特撮40年の歩み」という歴史を振り返る映像を鑑賞。
16mmフィルムから35mmフィルムになり、きめ細かい特撮の合成が可能になったのも今は昔。
進化を遂げデジタルでのCG加工が主流となり、更に進化を目指している。
会場に来られていた「超時空の大決戦」の撮影・カメラマンの大岡新一さんと少しだけ話をした。
歴史を知り、懐かしみ、重んじて、新たな進化をすることが大事だと、おっしゃっていた。
東宝ビルト、砧社屋、しっかりとこの目に焼き付けたぜぃ。
ありがとう。
そんで、さようなら。
また生まれ変わって、どこかで会いましょ。
そんな事を考えていたら、手塚治虫先生が描いた「火の鳥」の世界にいる様な感覚になったよ。
今の所、オレの鼻は大きくなっていないし、名前も猿田じゃなくて、吉岡だ。
さて、また一歩前に進むべ。
しーゆーあげーん。