ベガルタ仙台、楽天イーグルスが仙台に戻ってきて勝利した。
被災した方々も地元チームが勝って盛り上がると、一瞬でも地震のことを忘れられるという。
楽天は連勝、ベガルタは今まで勝ったことのない浦和レッズに勝った。
『誰かの為に闘う人間は強い』
楽天の嶋選手の言葉が全てだ。
今日は宮城県の南三陸町に行きました。
気仙沼とはまた違い、町の七割が津波にやられています。
写真ではわかりにくいですが、三階建ての建物の上に津波で流された車がありました。
あれから2ヶ月近いのに、棒を手に瓦礫の下を遺体を探す警察の方々もいます。
津波から生還した佐藤町長ともお会いしましたが、我が母校、仙台商業高校OBでもあるので
『仙商魂だ!』
と言われると、もはや町長ではなく単なるおっかねー先輩です(笑)。
ここでも漁業に関わる方々が必死に町民を引っ張っていました。
復興の『復』を『福』に変えて『福興市』というお祭りのような市を開いてみんなを盛り上げている、これまた仙商OBの方がいたり、近所の住民が集まってできた規模の小さい避難所に独自のルートで物資をボランティアの人達と軽トラで届けている魚屋の社長さんもいた。
社長さんの話だと、千葉から軽トラで来た身内でも何でもない人が10日間、テントを張って手伝い、『また取りに来るから使ってくれ』と乗ってきた軽トラを置いて帰っていったという。
『自分だったらとてもそんなことできないよねぇ…。でもな、これからもし千葉に何かあったら、よくねーんだろうけど俺は仕事ほっぽらかして千葉に向かう覚悟が今はあるよ。』
と社長さんの仲間の方は言う。
またある人達は栃木、茨城から来て雨の中3日間かけて仮設のお風呂を建てていってくれたそうです。
全国から物資を送ってくれて、ボランティアが手伝いに来てくれる。
『本当に感謝しかない。何にもできなくて申し訳ない。できるならボランティアの方々に義援金を分けてやってほしいぐらいだ。』
と社長さんは感謝していた。
カメラはどうしても僕らを追います。
ならば僕らができるのはそういう人達の存在や現地の様子を見たり聞いたりして伝えることです。
まだ電気も水も来ていなくてテレビが見れないから情報が少ない地域も沢山ありました。
でもそんな避難所でも
『お子さんおめでとう!!』
『誕生日おめでとう!!』
と、携帯電話のネット情報で知ったと祝福の声を受けました。
『みんなありがとう!よーし、今日は無礼講だ!!』
などと、妙なやりとりの避難所まわりもありました(笑)。
これからは暑くなるので薄手の服やサンダル、子供が学校に行く時のジャージやカバン、各自私物を入れておける収納ボックスなんかがあると助かるそうです。
お昼を食べながら楽天の試合を見ていると、山崎タケシさんがホームランを打った。
3連勝を決めた試合後、タケシさんはお立ち台に立ってホームランのことを聞かれた。
被災地から試合を見に来た少年野球の子達と約束したホームランだった。
『3本打つと嘘ついたけど、1本打ったから勘弁してくれよな!』
四番を打つ大ベテランは明るくこう言った。
誰かの為に闘う人間は強い。
相方に貰ったタバコがうまい。