」北九州万能川柳大会の一日、
久しぶりに仲畑さんと長くお話しさせていただきました
(辰五郎さん、写真ありがとうございます!!)
選句中、2次会、3次会……そんな中で、印象的だったのが仲畑さんの「崩し」ということだった。
仲畑さんが「拝啓」」を「ハイケイ」と書くのは業界では有名だが、
これも「崩し」。
仲畑さんが土曜日の夜、北九州でいかれた料理屋さんも、
「日本料理の崩し方が良かった」らしい。
仲畑さんは、人間でもちょっと崩れた、山頭火のような人がお好きだ。
意外と、この「崩し」は仲畑流の芯かもしれない。
例えば、月間賞当ての勉強。
万能川柳パレス講座では、
選句眼を鍛えるために、
万能川柳の月間賞を当てる練習
(1カ月の秀逸から4句を当てる)をしているが、
20年間にわたって行っているのに、いまだにパーフェクトが出ない。
考えるに、仲畑さんはわざと、「月間賞らしくない」句も入れている気がする
(もちろん、すべて秀逸句ですから、どの句もレベルは高いのですが)。
これも仲畑流の「崩し」の一つ。
一時期、仲畑さんが、預金をすべて使い切ってしまおう(笑い)とされていたことも
「崩し」の一つ。
「崩す」ためには、土台を固めなければならないわけだが、
土台が強固になりすぎると崩せなくなるのが、人間のサガ。
「川柳とは何ぞや」ということを突き詰めすぎた人の句を読むと、
次第に気分が悪くなり、目から輝きが亡くなり、眠くなります。
少し均衡を崩す、静止から動きへ。
万物流転。
崩しの美学は、つまり、流動の美学にほかならない。