「崩し」の美学 | 月間4万アクセス!!575のテーマパーク☆水野タケシの超万能川柳!!

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毎日新聞朝刊「仲畑流万能川柳」のことや
日々の創作活動について綴ります。

」北九州万能川柳大会の一日、

久しぶりに仲畑さんと長くお話しさせていただきました

(辰五郎さん、写真ありがとうございます!!)





選句中、2次会、3次会……そんな中で、印象的だったのが仲畑さんの「崩し」ということだった。


仲畑さんが「拝啓」」を「ハイケイ」と書くのは業界では有名だが、

これも「崩し」。


仲畑さんが土曜日の夜、北九州でいかれた料理屋さんも、

「日本料理の崩し方が良かった」らしい。


仲畑さんは、人間でもちょっと崩れた、山頭火のような人がお好きだ。


意外と、この「崩し」は仲畑流の芯かもしれない。


例えば、月間賞当ての勉強。


万能川柳パレス講座では、

選句眼を鍛えるために、

万能川柳の月間賞を当てる練習

(1カ月の秀逸から4句を当てる)をしているが、

20年間にわたって行っているのに、いまだにパーフェクトが出ない。

考えるに、仲畑さんはわざと、「月間賞らしくない」句も入れている気がする

(もちろん、すべて秀逸句ですから、どの句もレベルは高いのですが)。

これも仲畑流の「崩し」の一つ。


一時期、仲畑さんが、預金をすべて使い切ってしまおう(笑い)とされていたことも

「崩し」の一つ。


「崩す」ためには、土台を固めなければならないわけだが、

土台が強固になりすぎると崩せなくなるのが、人間のサガ。


「川柳とは何ぞや」ということを突き詰めすぎた人の句を読むと、

次第に気分が悪くなり、目から輝きが亡くなり、眠くなります。


少し均衡を崩す、静止から動きへ。


万物流転。


崩しの美学は、つまり、流動の美学にほかならない。