だんだん議論も白熱する(4)です!
(は)ここから,映画を作り替えていくシーンです。キャシーの歌と台詞でリナの吹き替えをしていきます。さらに,現代のパートを加えることになった,ということで,”Broadway Melody”という場面です。この場面は,全体の筋には直結しておらず少し唐突で,今一つ私にはわからないところなんです。
(か)あれ,そうですか?これは舞台だとすれば出演者総出での場面で,最も映える場面になるんです。こういう風にたくさんの演者が舞台に上がって,主役を囲む。こういうときには映像作品だと主役をピックアップして映すわけですが,舞台ではそれを囲んでいる方を観て,好みのスタイルの子,好みの衣装の子,好みの顔の子などを探していきます。
(は)確かにこれを舞台でやっていることを想像すると,舞台一杯にいろんな衣装のいろんな人が一斉に出てくるわけですね。なるほどなるほど。
(か)そうしていく中で,アンサンブルのお気に入りがみつかるんです。
(は)アンサンブル?
(か)あ,舞台の世界では,名前があって台詞があってソロとかデュエットとかをする主役級の演者をプリンシパルといい,それ以外で名前がなかったりする役を,それも複数の役を演じたりする演者をアンサンブルといいます。
(は)あ,そうなんですね。音楽とは少しちがうのですね。えっと,その他大勢・・・。
(か)いえ,アンサンブルを「その他大勢」と思っているようでは舞台のことは何も分かっていないですね。アンサンブルとそのすばらしさについて話し出すとますます長くなりますので今度にしますが,「ミュージカル主義!」というサイトに思い入れたっぷりな解説がありますので,まずはそちらをどうぞ。
(は)分かりました。私はアンサンブルという言葉は知りませんでしたが,実は舞台の質を決めるのは「その他大勢」だと思っていて,この話をし出すとこちらも長いのですが,舞台によってはアンサンブルに当たる方の中に全く「気が抜けている」というか,演じていない人がいることがあるんですよね。そういう意味では,宝塚歌劇団はいつの公演を観に行ってもいちばんはしでも120%気が充満していて,本当にすごいと思います。
(か)アンサンブルが大切というのが共有できたならOKです。とはいっても,このシーンのメインのダンサーさんは無茶苦茶かっこいいです☆脚長いし☆
(は)この方には台詞がありませんが,Cyd Charisseという女優さんで,美脚とダンスで一世を風靡した,というかこの映画でブレイクして長らく活動された方だそうです。
(か)なるほど☆それから,映像作品ですと,舞台一杯の演者に対して,ある角度からカットで映してそれを繋いでいくことになりますが,舞台の場合にはそうではなくて,シーンからシーンの移り変わりをどう構成するか。そういうことを考えながらこの場面を見ていました。
(は)シーンからシーンの移り変わり,ですか。
(か)例えば,この場面の後半で,手前にルーレット台が置いてあるパーティー会場にドンがいて,振り返ると対角線いちばん奥に謎の美女が現れて目が合います。それで回りが止まって,さらに二人以外の人も物も消えて,広い場所での二人だけでのデュエットダンスになる,というシーンがあります。これは映像ですから,二人以外の人も物も消す,というのは映像でできてしまいますが,舞台ではそうはいきません。目が合う,その瞬間に回りの演者は止まる,そこで照明を落として二人だけにピンスポットを当てる。そこで二人が近づいて踊り出すところで照明をあげるわけですが,その間に他の演者やルーレット台ははけていないといけないんです。それを人をどう動かしてやるのか,舞台装置を動かすのか。そこが舞台の面白いところなんです。
(は)なるほど,舞台では人もものも消すわけにはいきませんからね。
(か)そういうことを考えて,最初にルーレット台をどこに置いておくかから考えないといけないんです。真ん中に置くのか,はしに置くのか。私ならはしに,場合によっては舞台の袖に置くかもしれません。
(は)回り舞台とかせり上がりとかがあればまた違うわけですか。
(か)それは全く違います。ただ,いずれも大がかりになるのでなかなか使えません。もともと盆がある会場の場合と,盆を設置する場合とがあって・・・
(は)え,あれは「盆」っていうんですか。
(か)(ホントに初心者だなこのおぢさんは)はい。盆踊りとかの盆ですね。盆があるときでも180度回すのか,部屋の区切りを入れるのか,いろいろな使い方があります。
(は)そうなんですね。私は歌舞伎とかを見に行くことも多いですが,歌舞伎座とかであれば舞台が回ることはよくありますし,あとは幕を下ろして裏でトンテンカンテンやったりしていますね。
(か)そういうように,ミュージカル映画であっても,わたしは舞台上をイメージして観てしまいます。そうやって観るとさらにおもしろいと思いますよ。そして,舞台が本格的に再開したらそういう気持ちで舞台を観ていただきたいと思います。
(は)かわゆい様は10月に『ひめゆり』というミュージカルに出演予定ですね。

(か)はい。第二次世界大戦のときの沖縄戦で犠牲になった生徒たちを扱ったミュージカル座の10月公演,ミュージカル『ひめゆり』に☆組でひめゆり学徒の「かな」という役で出演します。ぜひご覧下さい。チケットは私に言って下されば準備しますので☆
(は)ひめゆり学徒については,1968年の『あゝひめゆりの塔』といった有名な映画もありますし,私は戦争映画も観るのですが,『激動の昭和史・沖縄決戦』の中にもひめゆり学徒たちが出てきます。これをどうミュージカルで描くのかを観に行きたいと思います。
(か)よろしくお願い致します。チケットのご予約はこちらにご連絡下さい
yui218.k@gmail.com
(は)さて,『雨に唄えば』に戻りますが,ミュージカル仕立てに切り替えた『踊る騎士』は吹き替えで完成,大成功します。しかし,その裏ではリナが・・・。
(か)この辺りは今も昔も芸能界にはどろどろがあるんだなと思っちゃいますね。
(は)その辺りはこんどまた詳しく(笑)。私はお仕事で英文の契約書を見ることもあり,リナが契約書を持って社長のところに乗り込んでいくシーンはしびれました。リナがまくし立てる”detrimental and deleterious”とか,”Contract dated June 8, 1925, Paragragh 34, subdivision letter A”といった表現,そして”I can sue you”がsueとyouがくっついてよく聞こえなくて社長が聞き返すあたりは,何ともアメリカ的です。
(か)(そこに反応する人は少ないと思うけど・・・w)でも,そんなことで天狗になったリナは,ぴしゃっとやられてしまいますwwwやっぱり天狗になっちゃいけませんね。
(は)アメリカ映画は一線を踏み越えた人がぴしゃっとやられてしまうというストーリーが多いですね。だいたいいちばん悪い役がやり過ぎてしまって,やられてしまいますwww
(か)そんなわけで,天狗になったリナが痛い目に遭って,ハッピーエンドですwww
(は)さて,まとめはかわゆい様から。
(か)歌ありダンスあり,笑いあり恋あり友情あり,勧善懲悪,100分とは思えないほどの盛りだくさん。長すぎないので入門編としてはやはり最適だと思います。ぜひ今のうちに映画を観ていただいて,そして舞台が再開したら舞台をご覧になって下さい。
(次回は『コーラスライン』の予定です!ただし,かわゆい様の舞台が終わってからになります)


