小説「夏祭り」 | 羽生結弦くんにメロメロ♡めろん

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羽生結弦くんを絶賛応援中!!好き過ぎて妄想小説も書いてます。みんなで溢れる想いを共有しませんか?




5年前に書いた小説です。
(アメ限に書いたものは、まだこの先がありますが…)


コロナ自粛で夏祭りも無い地域が殆どだと思うので、せめて夏の夜の風をちょっとキュンとしながら感じて下さい。
(妄想小説が大丈夫な方だけ読んでね)








「夏祭り」



あぁ…ちょっと遅れちゃう。


私は慣れない下駄で小走りに道を急いでいる。
あの人の元へ…




「夏祭りに行こう」



誘われたのが急だったから新しい浴衣を買う暇もなかった。



今の若い子が着るような浴衣は持っていない。



藍染めの浴衣に浅葱色の帯。



裾に少しだけ黄色い花が咲いている。



せっかくシャワーを浴びてきたのにまた汗をかいてしまった。


「あなた有名人だもの。私なんかと歩いてたら変に思われるわよ」



でも彼は、そんなの平気と笑い飛ばした。


彼に言われると何だかホントに平気な気がする。


カラコロと鳴る下駄の音が私の心を浮足立たせていた。





やっと着いた。待ち合わせの神社の裏。


木々の向こうに祭りの賑わいと提灯の灯り。



先に来ていた彼を見た時、普段のかわいい彼はなりをひそめ、息を飲むほど男っぷりの上がった浴衣の…かっこ良い彼が凛とした姿で立っていた。




胸が苦しくなるほど




全身で叫んでる





私はもう…こんなにも





あなたが大好き…




。。。。




「夏祭りに行こう」



誘ってはみたものの相手にされるか不安だった。




前から憧れてたあの人…





急にオフになった土曜日の夜。




来てくれるか不安だったけど。




もうすぐ日本を離れなければならないから




声をかけずにはいられなかった。




遠くから急いでる下駄の音がする。




カタッ…




あれ?躓いたのかな?




きっとあの人だ。




大人ぶってるけど、結構おっちょこちょいなのを知っているよ。





近づいてくるあの人の影。





紺の浴衣姿が…



何て綺麗なんだ。




アップにした髪の毛。




後れ毛のあるうなじ。



上気している。




潤んだ瞳で見上げる彼女に



ただただ…見惚れていた。




。。。。。




「お待たせ…」



やっとの思いで出した声は上ずっていて…



私の心が露わになったみたいで恥ずかしい。




いつも真っ直ぐ私を見る澄んだ瞳。




浴衣の上からでも分かる逞しい胸筋。




あまり見つめないで




ここに立っているだけで精一杯なのに…



。。。。。。




ずっと見惚れてた



彼女の「お待たせ」で我に返って…




声まで艶っぽく聞こえる。




オレ…ヤバイ…




ヤバいよ…オレ…





抑えられない…気持ちが…




今夜はこの人を帰す自信がない。




「行こう」




照れ隠しに素早く彼女の手を握った。




手を繋いで縁日の中を歩く。




はしゃぐ彼女。




可愛い横顔。




ずっと見ていたい。




「ねぇ!次あれやりたい!ヨーヨー釣り!」




子供みたいに笑う彼女が可愛くて。




「よし!オレが取ってあげるよ!何色がいいの?」




「私、あの水色がいい!」




「水色?女の子はみんなピンクがいいのかと思ってたよ」




オレがそう言うと俯いたまま小さい声で




「だって私…」と呟いた。








彼と縁日を歩くなんてドキドキが止まらない。




心臓の音に気付かれないように、いつもよりはしゃいでる自分に気づいてる。




彼と手を繋いだまま。




全神経が繋がれた手に集中して、何を喋っているのか自分でもよく分からない。





汗をかいた手を彼に気づかれてしまいそう。




この緊張から抜け出したくて



「次はヨーヨー釣りやりたい!」



そう言ってさり気なく繋いだ手をほどいて、ヨーヨー釣りの前にしゃがんだ。




私が水色が欲しいというと彼は




「女の子はみんなピンクがいいのかと思ってたよ」




ズキン…




だって




だって私…




「だって私…女のじゃないもん…」





泣きそうになった。




いくらはしゃいでも



彼より歳上の私。




しゃがんだまま下を向いて涙が出そうになっているといきなり私の頭にポンッと手を置いた。


ゆっくり彼を見上げると顔がすぐ近くにあって





「オレにとってはいつも女の子だよ」






そう言って私の頭を引き寄せた。




おデコに軽く唇が触れたとき、胸の奥がキュッとなって忘れかけていた感情が一気に蘇った。



。。。。。。。




「だって私…女の子じゃないもん」




あぁオレ、何言ってんだろ。



大切な人に、こんな事言わせて。




いじらしくて可愛くて




今すぐ抱きしめたい。




彼女の背中に回しそうになった手をかろうじて止めた。




震える手でそっと彼女の頭を引き寄せた。




周りに聞かれないように小さい声で囁く。




ガマンしきれずオデコに軽くキスをした。




キスだってバレたかな?



ちょっと触れただけって思ったかな?


この人にとってオレなんて…まだまだ


ただのガキだろうけど


想いだけは誰にも負けない!




浴衣の襟から覗く白く細いうなじ。




どうしても想像が頭から離れない。




彼女の細い肩を抱いて…




引き寄せるとほんのりいつものいい香り




帯をほどき、衣擦れの音が夜を染める。




風に揺れる枝葉





虫の声





今夜は…あなたと










[終]


☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:.



新作じゃなくてごめんあせる




きゅんドキドキとして堪らなくなってしまったアメンバーは扉の向こうにGO!



また彼の浴衣姿、見たいねぇ照れドキドキ


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