最近、自宅周辺で古い宅地が更地になって建売される、というのがあちこちで起きています。恐らく相続&売却が繰り返されている感じ。そして大抵の場合は元の1軒が2軒に分けられたりとか、下手したら4軒とかに分割されて建売されてます。自宅から一番近所で売りに出されている建売は1年くらい前に4分割して販売されたのですが、2軒売れたものの残念ながら2軒は売れ残っている模様。なぜかって4軒とも値段が1億前後なんですよね。都内駅近とはいえ1億だと普通のサラリーマンじゃ手を出しづらい。反面、6千万〜7千万あたりのボリュームゾーンはよく売れていて回転してる感じです。まぁそんな訳で近所で売りに出ている物件は一応チェックする訳ですが、間取り図を見るとちょっとどうなの、と言うレイアウトも多くあります。

 

もちろん、1級建築士が知恵を絞ってレイアウトしたんでしょうけど、いやこれ使いにくいよね、というのも多くて、例えば4.5畳とかの狭い部屋を沢山作って部屋数稼ぐとかです。まぁ子供が沢山いれば狭くても部屋数沢山いるのも分かるんですが、最近そんなに子沢山な家も少ないでしょうし、1人暮らしとか2人暮らしとかもそれなりにいるはず。まぁそういう人はマンション選ぶのかもしれませんが、部屋が広めで部屋数少ない、と言う物件が少ないんですよね。需要が少ないのかもしれませんが、夫婦2人でマンションよりは一戸建ての方が良いって言う人だっていますよね。マンションは出かけるときに外出るまで時間かかるし、毎月管理費や修繕積立金、駐車場代もかかる。いわゆる隣人ガチャで、上の階にうるさい人が住んでいたら目も当てられません。という訳で一戸建て需要も確実にあると思いますが、そうした時に小さめの家を探すと、部屋が少なくてめっちゃ小さい家か、あるいは部屋数たくさんのどっちかしかない、ということに気づきます。だから私は元々3LDKの建売になりそうなのを、交渉してレイアウト全変更して2LDKにしてもらった訳です。

 

結論から言えばこれは大成功で、自分で間取り図作ってわがまま言いたい放題やったので値段もだいぶ上がりましたが、全く後悔はございません。で、レイアウト時に気にしたポイントを列挙してみたいと思います。

 

◆空間を有効活用する

田舎で土地も十分広いよ、資産家で土地めっちゃあるよ、みたいなのでない限り、都内で家建てようとしたら建坪率容積率ギリギリで建てることになると思います。限られた面積をどう有効活用するかがカギなわけです。

 

・廊下は部屋と部屋を繋ぐのに必須だけど極力短くする。長い廊下は面積もったいないし移動も大変。玄関と階段が反対側で長い廊下で繋がってる・・・とかは無駄です。レイアウト再考しましょう。

 

・北側斜線規制で下り天井になるところは、階段とかトイレとか収納とかにする。居室で天井低いのはストレスになるけど、トイレが傾斜天井でもまぁ数分しか滞在しませんし問題なし。お風呂の湯船側を下り天井にするとかもできるはず。TOTOのお風呂のカタログにも傾斜天井のオプションありました。私はやってないので実際やった場合の使用感は分かりませんが、湯船の上って屋根低くても問題無い気がします。

 

・階段の下とかも収納とかで使い倒す。前述の傾斜天井と同じで、トイレを階段の下にするのでも良いかもしれません。でもゲストも使う1階のトイレが天井ガタガタになってるくらいなら、収納の方が良いですね。階段の下をパントリーとか土間収納にできたら効率的です。

 

・容積率に入らない屋根裏収納はとりあえず最大限広くしとく。広くて困る事はないです。

 

◆動線を考える

・食料品買ったときなど用に、玄関からキッチン(パントリー)までの距離がどれくらいか、何なら車の駐車スペースからキッチンまでの距離も気にします。たくさん買えば車からキッチンまで何往復とかもあり得ますしね。2リットルペットボトル箱買いとかしたら、他の荷物とは1度には運びきれません。マンションじゃないだけだいぶ楽ですが、短ければ短いほど楽です。とはいえ、玄関とキッチンを近づけるあまり、リビングの出入口がキッチン側というのも考えものです。そんな玄関からキッチン経由でリビングに行く間取りが意外と多いのですが、なんかリビングに通すゲストが裏側見ちゃう感じだしどうしてもキッチンはごちゃつくから、LDKの入口はLかD側に作り、K側にならないようにしたいところです。

 

・洗濯物動線も考える。お風呂入るときに脱いだ服を洗濯して、干して、畳んでクローゼットに収納。この動線を短くする。途中に階段は極力挟まない。1階で洗濯して2階のベランダに干す、とかは避けたい。1階で洗濯したら庭に干すか、1階のランドリールームか浴室に干して、1階のファミリークローゼットにしまう。クローゼットが2階なら、お風呂も洗濯も2階で、干すのも2階ベランダ、取り込んだらそのまま畳んで2階のクローゼット、と言う動線なら最高ですね。これも短ければ短いほど楽です。

 

・ウチみたいに来客多い家だと、ゲストのトイレ動線も気にしたいところです。リビングにいるゲストがトイレ行って手を洗ってリビングに戻る。そのときにいちいち道案内が要らなければベスト。あと今どき便器についた手洗器を使う人はいないと思うので、トイレ内か周辺に洗面台が欲しいところ。洗濯機があって洗濯物山積み、歯ブラシが並んでる家族用の洗面所をゲストが使わないで済むようにしたいところです。今だとコロナ仕様で玄関に洗面所を作るパターンも多いと思うので、玄関近くのトイレと玄関洗面所がうまく動線つなげるのは難しくないはずです。

 

・来客エリアとプライベートエリアをうまく分離して、動線が重ならないようにします。例えば夫婦どっちかの友人が遊びに来てるとして、盛り上がって夜遅くなったとします。配偶者側は先に風呂入っちゃおうと当然なる訳ですが、リビング経由じゃないと風呂に行けない、とかだとまぁ気まずい訳だし、風呂上がりにまたリビング経由ってのも微妙で、友人が気を使って帰っちゃうことになる訳です。あとは風呂に入ろうとしたら来客とトイレや廊下で遭遇するとかですね。うちの場合はほとんどの友人はお互いに紹介して夫婦で友達になっちゃうのでそこまで気を使う場面はあまりない訳ですが、来客エリアとプライベートエリアの動線が重ならないようにできればそれに越した事はありません。一番簡単なのは、1Fと2Fで分離する事ですね。レイアウト上そんなに簡単に行かない事もあると思いますが、もし家に友人来るよ、という家はその辺りも考えておく必要あります。

 

◆断熱とか音の遮断も考える

・賛否両論あるリビング階段は、やはりやめた方が無難です。扉が設置できればまだしも、リビングと階段、2階廊下が全部空間繋がってしまうのは空調的にも厳しいし、音も響く。例えば夜中に2階の寝室で寝てる間に深夜リビングをルンバで掃除させるというのは合理的ですが、リビング階段だと音が寝室に伝わって来てしまいますし、最近のルンバはカメラ検知のために照明も点けないといけないので、場合によっては明るさすら漏れるかもしれません。廊下と居室はドアで仕切りましょう。

 

・音といえばトイレの音を居室に響かせないのも重要です。リビングに直接トイレのドアがついてるとかは論外ですね。ドアや壁を防音したところで、水流しながらドア開ければ丸聞こえだし臭いも漏れちゃいます。さらに、直接繋がっていなくてもトイレと居室は壁1枚で接することがないようにしたいところ。どうしても無理ならトイレに面する側を収納にするとかしてでも、壁1枚で隔てることがないように、できれば廊下や階段挟むとか収納挟むとか、洗面所を入れるとか、レイアウトはうまく考えれば上手にレイアウトできるはずです。

 

まぁそんな感じで、このあたりを気にしてレイアウトしていくと、とても使いやすい、無駄な移動がほとんどない家が出来上がると思います。