先日。7月18日のブログ に、

勢い余って、以下のようなことを書きました。




“これを読者に伝えたい!”と熱く想った魂を紙に印刷してホッチキスで止めたら、それが雑誌なのです。







そしたら、それを読んでくれた県外のタウン誌編集者からメールをもらいました。




《質問》

●●県●●市でタウン誌(求人がメインですが)の編集者をしています。

たけぴさんのBlog、密かにスタッフみんなお気に入りに入れてますよ!

---中略---

全国的に紙媒体が右下がりの現状で、これからのタウン誌はどおいう戦略を取ればいいのでしょうか?






《回答》

いやねぇ、一言で言ってしまえば、アレですわ。















自分で考えろや!





いやいや、ウソでっせ(; ̄ー ̄A


てゆーか、それが解ったらブログでや公開やせんし!!


いやいや、それもウソでっせ(; ̄ー ̄A (; ̄ー ̄A  



まぁ、ジョーダンは置いといて(; ̄ー ̄A (; ̄ー ̄A (; ̄ー ̄A

7年前の当時27歳だった俺に聞いてみたいと思います。



ん? 7年前の俺???




いや実は先週末にね、

古いパソコンのファイルを整理してたら、7年前に俺が当時の部下に贈ったメッセージを見つけたんですわ。そんで、それがまさに“タウン誌の未来”的なテーマだったんで、ちょどええかな~と。

まぁ、手抜きといやぁ手抜きなんですが、今でも当てはまる基本のような気もしまして。。。。。

ケッコー今読んでも当たってるところありまっせ。








以下1999年・原田剛著 ※なんせ7年前、古い内容も多いですがそれは見逃してね。

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21世紀に向けてタウン誌の戦略その①

オリジナルコンテンツの貪欲な開拓

今、タウン誌がタイヘンである。
バブル崩壊以降続く紙媒体の低迷に追い打ちを掛けるように、
Walkerを始めとする大手出版社の地方進出、そして地元資本による競合誌が渦巻いている。


我々、四国のタウン誌編集者にとって、当然「対岸の火事」では済まされない。
3月には『神戸Walker』が創刊され、
Xハイウェイ時代を視野に入れた“四国”をテーマとするレジャー誌や
ファッション誌も登場している。

『読者は今後、数冊の選択肢の中からどれを選ぶのだろうか?』

記事が面白い、情報が使える、写真がキレイ、芸能人が載っている・・・・・

人々のライフスタイルが、「十人十色」から「一人十色」へと変化してゆく現代、
ヒトがモノを選ぶ際の動機は数限りなくある。
しかし、行き着くところは結局はココではないだろうか。

その商品にしかない魅力

タウン誌にしかないモノ、タウン誌にしかできないコト・・・
つまりは、オリジナルコンテンツである。

┌─────────────────────────────────────┐
│ かつて『シティ情報ふくおか』は
│ 『九州Walker』の出現に対して

│ 同じ土俵で勝負しようとした。
│ Walkerのような写真、Walkerのような掲載点数のインフラ、

│ Walkerのような誌面展開・・・。
│ しかし読者は冷静だった。
│ 「内容が同じだったら芸能人やカラーページが多くて

│ テレビCMもやってるWalkerを買おっと」
│ ・・・・・・・・・・・・・。 │
│ あれから1年半、今年『ふくおか』は

│自分たちの進むべき方向を見つけ、走り出した。
└─────────────────────────────────────┘


想像して欲しい。もしも『四国walker』が上陸したら・・・・・・・・・・


タウン誌にしかないモノ。タウン誌だからできるコト。
しっかりとした“オリジナルコンテンツ”を築き上げておけば、
どんな資本力の侵入にも動じることはないだろう。


我々はこれからもオリジナルコンテンツを貪欲に開拓し、
タウン誌の大きな武器にしてゆかなければならない。









21世紀に向けてタウン誌の戦略その②

“タウン誌”という出版ツールから
“情報発信源”へのシフトチェンジ(意識改革)


今、まさに“紙媒体”の存在意義が問われている-----。
毎朝届くメールマガジンは新聞を開くよりも先に社会の動きを伝えてくれる。
ホームページを開けば政治も社会も経済も芸能も、インタラクティブに手に取るようにわかる。

「でも、雑誌や本にはそれなりの良さがあるじゃん」
それは“編集者として”は決して間違ってない見解でもある。
CDに対するレコード盤のように、レトロ感覚で生き延びることで十分と割り切る
・・・という条件付きで。

しかし、我々は一企業としての成長を考えなければならない。
┌────────────────────────────────┐
│一般にマーケティングの世界では

│新しいカテゴリーやサービスが市場として
│成立するためには、世帯普及率が15%を

│越えなければならないと言われる。
│このハードルを越えると各種の需要は顕在化し、

│大きなビジネスが成立する。

│郵政省の予測では、

│平成10年度のインターネット世帯普及率は11.0%、
│利用者は約1690万人に達すると言われている。

│しかも対前年伸び率は180%
│つまり日本のインターネット世帯普及率は、まもなく15%を越え、
│まさに急成長が始まる直前にあるのだ。
└────────────────────────────────┘
「いやいやそれは大都市での話で、徳島はまだまだだよ」
県内のインターネット人口約1万5000人---。
この数字を見て「なんや人口の2%もないんか。それよりもワイは毎日の仕事の方が忙しいけんそっちでええわ」と日常業務に没頭するのか、
「へぇ! これからがチャンスやん!!」と捉え行動に移すか・・・・・
それは各人、各社によってそれぞれだろうが、【タウン誌】は断固として後者の立場を取らなければならない。
だからこそ今のうちにこのネット社会で生きてゆく道を固めておこうと思う。
紙媒体の呪縛にしばられて、オチオチしている場合ではないのである。

しかも、地方でのインターネット普及率上昇に追い打ちを掛けるかのように、
次々に新しいツールの波が押し寄せてきている。
それは、4月に加入が500万台を突破したi-modeを始めとする携帯であったり、
PDA・カーナビといった各種通信端末だったり、
i-macが象徴する低価格パソコンであったり、
プレステ2やインターネットテレビ等の家電であったり・・・。

その時代時代の情報を反映してゆくのがタウン誌の使命だとしたら、
このデジタルへの流れを無視することは矛盾になる。
今後、我々【タウン誌】は
“情報誌”という出版ツールとしての概念を覆してゆく作業に入る。
しかし、それは紙媒体を否定するという意味では決してない。
目指すトコロはここだ。
【タウン誌】を読んでたらインターネットやメールがしたくなるような企画
ひいては、インターネットやメールをしてたら【タウン誌】を読みたくなるような企画。

その可能性は無限に広がっている。


我々はネットサーフィンという荒波を
“企画力”というボードで柔軟に乗りこなさなければならない。







21世紀に向けてタウン誌の戦略その③

そしてやっぱり、
“ヒト”と“街ネタ”にトコトンこだわりたい!


ヒトは動き、日々進化する。

【成人式のヒト】
【新入生のヒト】
【阿波踊りのヒト】
【市町村のヒト】
【高校のヒト】
【大学のヒト】
【かわいいヒト】
【かっこいいヒト】
【おしゃれなヒト】

そして彼らがトクシマの街を創る。
【新店】
【イベント】
【口コミ】
【ファッション】
【流行】・・・・・足で稼いだ街ネタ。

店舗主義から人間主義へ。

カタログ主義から街ネタ主義へ。
地方都市・徳島から新ブランド“トクシマ”へ。


延々と続く不景気、趣味趣向の多様性、紙媒体の低迷。

そんな時代だからこそ、
我々はトクシマのヒトと街を愛し、
見つめ続けなければならない。



以上。









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そして、今は7年後の2006年。

俺なりに、上の①②③を追求して生み出したタウン誌が【ワイヤー】だと自負している。




今では、

我が県でのタウン誌の数は2倍以上になり、

県外資本の進出も目まぐるしい、なんといってもWEBは紙を凌駕しつつあり、

編集者よりも一消費者の発進する物が時に人々の心を捉えたりしている。


その中で、

①を充実させているタウン誌はある。

③にチカラを入れているタウン誌も多い。

しかし②である。



「儲からないからねぇ・・・」

そうやって、WEBを毛嫌いするタウン誌編集者が世にいるみたいなのだが、

mixiやらブログやら、必死こいて毎日やってる一番の集団こそ、おまいらタウン誌編集者じゃねーか???

矛盾してとるでよ。



それに何より、

30ウン年前、キミらの大先輩のタウン誌の生みの親たちは、

儲かる儲からないなんてほとんど考えず(そりゃ、ちったぁ考えてたやろうけど)、


ただたんに雑誌作りが楽しくて楽しくて、

夜は飲み屋でバイトしながらも、寝る間を惜しんでタウン誌を作っていたはずやで。


それは、儲けというよりも、

その町の人たちに少しでも楽しく、少しでも有益な情報を届けたいがためだけに。。。。。


WEBもなにも無い頃、それを届けるためのツールがたまたま雑誌だっただけだ。



「儲からないからねぇ・・・・・」

そういって、今一番街の若者が利用している物(WEB)と向き合うことを放棄した編集者に告ぐ。





約30年前のタウン誌創生期を支えて、街のために当時ベストなツールを駆使して奮闘してきた創業者に、土下座して謝れや!!!!!!!



おっと、エキサイトしてしまいました(; ̄ー ̄A  


まぁ、とにかく俺らワイヤーは、それが儲かろうが、儲からまいが、

読者が一番理想とする方法(今は紙とWEB)を提供する(もちろん、頭を使えば儲からないことなどない)。


てゆーか、質問くれた県外の編集者さん、ゴメンよ。

話しがそれまくったけど、とにかく7年前の②でも書いてるとおり、“タウン誌を作っている”という呪縛から逃れられない限り、タウン誌って次のステップには行けないのではないでしょうか? “タウン誌を作ってる”というより“情報のやり取りできる箱を作っている”・・・・・この視点でしょうね。